ジャンル : ジャズ > フュージョン
アメリカで人気のジャム・バンド、20thコングレスを率いる名キーボーディスト、ロバート・ウォルターのソウル・ジャズ・アルバム。全編で60〜70年代初期のソウル・グルーヴが炸裂する。
幾つものリズムがスリリングに絡み、そこにカラフルなシンセとキーボードが加わることで生まれる立体感。そのダイナミズムのうねりに顔を出す世界各地の音が刺激的だ。それは民族・宗教を超えて人類が地球で共生するという想像力を喚起する壮大な音楽叙事詩。★
92年、渡辺貞夫と20年ぶりに再会した増尾が、その悦びをギターに込めたエポック・メイキングな作品。そこに(6)のヴォーカル・ヴァージョンを追補し、全曲をニュー・リミックス。ただでさえはずむようだった音楽の躍動感が、なお大きく震えるようになった。
コンテンポラリー系と思われていたクライツァーがラリー・ゴールディングス(org)&バーナード・プリティ・パーディー(ds)とのトリオ編成で、意外や、オーソドックスなプレイを聴かせる94年の作品。ソニー・ロリンズをほうふつとさせる朗々たるソロが気持いい。
ソロ、トリオ、カルテットとさまざまな編成でドリューの持ち味が楽しめる。スタンダードを中心にした東京ライヴを収録したこの作品は、彼のハード・バピッシュなピアノ・プレイが痛快な響きを醸し出す。本格派の面目躍如たる見事な演奏集と言っていい。
人気プレイヤー三人組のデビュー作。かなり情熱的なギターを弾くロベン・フォードをはじめ、全員が硬派なロック寄りの演奏を繰り広げるインスト集だ。曲によりブライアン・オーガーなどが参加、またヴォーカル曲もあり、変化に富んでいるのにも惹かれる。
平成のフランク・ザッパとも言うべきユニークな音楽集団による、フュージョン・ファンだけでなくザッパ好きのロック・ファンにもアピールする1枚。超絶技巧サウンドにどこかユーモアが漂う。
バリトン・サックスの数少ない名手のひとりが残した貴重作。夭逝したため録音は少ないが、サージのダンディな渋さのある演奏は、ほかの楽器にはない魅力を伝えてくれる。ビッグバンドで腕を上げた彼が、9人編成で独創的なサウンドを聴かせている。
50年代、全盛期のカウント・ベイシー・オーケストラで花形トランペット奏者だったニューマンが、ベイシーやフレディ・グリーンほかファミリーのサポートを得て、バリバリと吹きまくった快作。ベイシーがオルガンを弾くなど、ウラ名盤としても知られる。
この数年、アルバム上でも旺盛な創造力を発揮している鬼才ドラマーの会心のバラード集。ジョージ・ガゾーンのテナーをフィーチャーして、ピアノレス・トリオで録音。コルトレーンのバラード世界を彷彿させる。森山の到達した深さを静聴する作品だ。
山下洋輔トリオで怒涛のリズムを披露してきた森山の2002年作。見事にシェイプアップしたバップ・ドラミングの後方から前衛の遠い雷鳴が雲を運ぶ。マックス・ローチに似た見事な空間構成力。入院中の父を思う短い随筆が絶品。年齢と愛が描かせた至上の詩。ぜひ読んでみて。★