ジャンル : 演歌・純邦楽・落語 > 落語・演芸
落語の体裁をふまえながら、スピード感は漫才のそれ。古典にゆきづまりを感じたことが三枝が創作落語に手を染めたきっかけだそうだが、聴き手にとっては望外の幸せをもたらした。(5)の冒頭の「ノリのいい落語をやりたい」という言葉に偽りなし。必聴。★
浪曲出身の三波春夫ならではのジャンル“歌謡浪曲”のベスト選曲盤。(1)〜(3)の元禄シリーズと(4)の「高田の馬場」は忠臣蔵の実に美味しいエピソード集の追い込みの語りは逸品。明朗な歌声の三波春夫の特質が存分に生かされた(5)の「豪商一代」も聴かせる。
スタジオ録音落語のもはや古典的名作待望のCD化。「お化長屋」は下まで入っているし「おかふい」なんてなかなか聴けないしで、圓生師のやる女性は珍妙であったり過剰に色気があったり薄幸そうだったりするが、どれも独自のおかみさんであることが凄い。
生前は落語家としての活動のみならず俳優としても活動、CMでは「バカウマ」という流行語を生んだ圓生の、[1]は74年10月、[2]は75年5月の口演を収録。伝承古典落語だけに現代社会には実在しないが、そのぶん古き良き時代の夢もある。
六代目三遊亭圓生によるか「掛取万才」「鰍沢」のニ寄席を、ダイレクトに収録した本作。お囃子の音色から導きだされ始まっていく圓生の語り。その表現豊かな声の表情により、いつしか話の世界へ身を投じている自分に気付くはず。これ、かなり面白いわ。
圓生が晩年(75〜76年)にスタジオ録音したシリーズのCD化。圓生は笑わせる芸ではなく、江戸の人情噺の粋のワンダーランドである。それぞれに「芸談」が付いている。噺の長い「火事息子」では返りマクラがあり、彫りもの(刺青)解説をやっている。
六代目三遊亭圓生の巧みな話芸を収めた圓生百席シリーズ第一弾。江戸時代のケチをユニークに描いた74年録音の「一文惜しみ」、映画『幕末太陽伝』の元筋、75年録音の「居残り佐平次」を収録。江戸訛りを取り入れたり、セリフのひとつひとつが味わい深い。
昭和の大名人、圓生による古典落語全集のCD化第2弾。オレがいうのもおこがましいが、このヒトの噺からは江戸文化のイキな部分がヒシヒシと伝わってくる。ちなみに「鶉衣」は宇野信夫作品。篠山紀信によるジャケット写真も最高で御座います。
絶頂期の録音で、芸に対する自信がひしひしと伝わる。『鰻のたいこ』は八代目文楽の十八番として知られるが、圓生は野だいこの一八が例の客に会うまでの過程をカットせずに演じている。文楽と圓生の、噺の刈りこみ方の違いがわかって面白く聴ける。
晩年のスタジオ録音による全集もの、『圓生百席』のCDリイシュー。ていねいな語り口はスタジオ録音でさらに際立つ。うまいです。きっちり聴かせます。「このディスクの内容は伝承古典落語ですので、現社会には実在しません」という但し書きがご時世だねェ…。
派手で陽気な高座は師匠の桂枝雀ゆずり。大阪ではタレントとしても人気者だが、古典もしっかりとこなす実力派だということがわかる1枚。2題とも有名なネタだが、噺の本筋以外に脱線していくところに彼の憎めないキャラクターがよく出ている。
米朝一門にあって“芝居噺は吉朝”といわれる桂吉朝の『おとしばなし「吉朝庵」』シリーズの第1作。三途の河の渡し船での渡し賃の計算する鬼の船頭が笑わせ、六道の辻は盛り場の案内では地獄寄席に米朝まで出演させ、念仏屋もあったりして爆笑続きだ。★