ジャンル : 演歌・純邦楽・落語 > 落語・演芸
若い客層を落語に引き入れてきた、春風亭昇太の2008年に下北沢の本多劇場で行なわれた記念公演の模様を収録。26年にわたるこれまでの高座人生を振り返るトークを交え、「雑俳」など六席を語る。
お噺を分かりやすく伝えてくれることで人気の落語家・林家たい平のアルバム。「牛ほめ」「寿限無」など、親子で楽しめる演目を中心に収録した一枚で、優しく楽しい彼の語り口調が存分に味わえる。
注目は[21]収録の「火焔太鼓」で、1952年4月、61歳と油の乗り切った時期の録音。志ん生十八番中の十八番のネタだが、この音源はSPからの復刻を別にすれば最も古いもので、元気いっぱい、瑞々しい語り口だ。それ以外は66年録音の[22]収録の「佃祭」と[23]収録の「お直し」を除き、倒れる直前の61年の音源で間の取り方=押し引きの妙がたまらない。陰惨な噺を見事に笑いに転化した[21]の「黄金餅」、奇想天外な発想をそれとは感じさせない「二階ぞめき」、独特のフラが究極まで活かされた[22]の「替り目」など、全盛期の志ん生が味わえる。
つぶやくような独特の語り口と人間の喜怒哀楽を描き、通好みの噺家として知られる可楽のアルバム。「味噌蔵」は、鳴り物入りで三階節を歌うなど陽気な仕上がり。「子別れ(上)」は、得意な酔っ払いの描写が冴えている。昭和31年、59歳という全盛期の録音。
物腰が柔らかく、丁寧で明るい口調で、時として金馬を思わせた柳枝(明治38〜昭和34年)の最晩年である昭和31〜34年の音源で、初商品化や初CD化の音源ばかり。いかにも柳枝と思わせる噺の甲府から出てきて豆腐屋の婿になる「甲府い」、空き巣に入って酒を馳走になる泥棒の「締め込み」と間抜けな泥棒が出てくる噺の「花色木綿」、爆笑が続く「野ざらし」では客席の陰でクルマのクラクションが鳴っていたりする。仕返しに女房連を坊主にする「大山詣り」などを聞かせる。今では珍しい噺も演じている。