ジャンル : 演歌・純邦楽・落語 > 落語・演芸
NHK大阪が収録、上方落語の名演を紹介するシリーズの第3弾。2005年に惜しまれながらこの世を去った、上方落語の四天王のひとり、五代目桂文枝の熱演の数々をまとめている。ほとんどが初商品化。
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町内の嫌われ者の“らくだ”が河豚の毒にあたり死ぬ、らくだの兄貴分が現れ、気の弱いくずやをつかまえて、弔いの支度をさせる。死人に“かんかんのう”を踊らせて……、という噺。権太楼の酔っ払いぶりが凄い。らくだの兄貴の影が、突然薄くなり唖然。
2005年7月16日、朝日名人会での録音。若旦那・徳三郎の、他人に迷惑をかけてもそれを好感度アップの材料に転化してしまえる性情はうらやましい。自分に甘い主人公と他人に甘い周囲の人たちが当たり前のように絡み合っていくさまを、嫌みなく演じている。
五代目古今亭志ん生の長男で、志ん朝の兄でもある馬生の名演集シリーズだ。生前の馬生の高座は、辛気臭く感じられたが、いま聴くと意外と抜けている感じである。待ったなしと約束で始めた碁で仲違いしてしまう「笠碁」、新宿の廓女郎と馴染み客の化かし合いでの馬生の口調が、弟・志ん朝を思い出させる。芸風は異なっても、やはり兄弟と思わせる。町内の連中が、飛鳥山に出かけて賑やかな花見でひと芝居演じようとする「花見の仇討」の、グズグズになっていく過程が可笑しい。真夏にミカンを食べたいという若旦那ために、ミカンを探す粗忽な番頭さんの噺「千両みかん」。「品川心中」では、珍しくサゲまで演っている。殿様に見初められた町娘が男子を出産し、ぐうたらな兄・八五郎の噺「八五郎出世(妾馬)」。錦のふんどしを締めた与太郎が女郎買いに行く「錦の袈裟」。