音楽むすび | These Magic Words

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Indian BurnIndian Burn

Ken Yokoyamaの 約2年半ぶりとなる8thフルアルバム"Indian Burn"が完成! Ken Yokoyamaの2023年は凄かった。まずは5月に「Better Left Unsaid」、9月に「My One Wish」、 11月には「These Magic Words」と3枚のシングルを立て続けにリリースしてきた。 リリースだけでは無い。コロナ禍では行ってこなかったライブハウス公演を解禁し、帰ってきたパンクの王様を印象付けたかと思えば、 自身初の日比谷野音やLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)を含むこれまた初のホールツアーまでやってのけた。 これまでのKen Yokoyamaの活動からは想像出来なかった出来事だが、長い長いコロナ禍を黙々と音源制作やライブのあり方に向き合い、 逆境を乗り越えたバンドは気付けば新たな武器を手にしていた。そんな近年の集大成とも言うべき作品が今回のアルバムだ。 軽快なリフで幕を開けるオープニングナンバー”Parasites”では直球のメロディックパンクを披露したかと思えば、 ”Show Must Go On”ではミッドテンポに乗せて[なにがあってもショーを続けなければならない]と決意を歌う。 ライブではすでに定番曲になりつつある、先述の3枚のシングルからもリード曲3曲が収録と聴きどころ満載。早くも2024年年間ベストアルバムの登場だ。 2024/01/31 発売

The Golden Age Of Punk RockThe Golden Age Of Punk Rock

Ken Yokoyamaがカバーアルバムをリリースする。横山健が参加しているバンドとしては、過去にBBQ CHICKENSが『Fine Songs, Playing Sucks』というカバーアルバムを2003年に発表しているが、Ken Yokoyamaとしては今作が初めて。 日本のミュージックシーンではカバーアルバムが流行った時期があったが、その流れとはまったく別と言わんばかりのタイミングでリリースするのが彼ららしい。元々、こういった作品を出したいという意志はあったはずだ。 そもそも、横山健はカバーの名手である。誰もが知るポップスの名曲に驚くようなアレンジを加えたり、ゲラゲラと笑いたくなるようなスパイスを加えたり、かつてない解釈を施すことで新たな魅力を引き出したり、過去数十年以上にわたって自身のオリジナル曲と同じぐらい高い評価を得てきた。 しかし、今作は少々方向性が異なる。タイトルは『The Golden Age Of Punk Rock』。 パンクロックの黄金時代の楽曲をピックアップした、明確なコンセプトをもつカバーアルバムだ。 若手ではなく、彼らのようなベテランバンドがこうしてパンクロックの名曲と真正面から向き合うことに、パンクロックへの最大限のリスペクトと愛情を感じずにはいられない。 彼らのようにキャリアのあるメンバーが集まったバンドによるカバーアルバムだからこそ、その選曲は大きな注目を集めるはず。メンバー4人がアイデアを出し合って決めたというラインナップはNOFX、Bad Religion、LAGWAGON、No Use For A Name、ALL、RANCIDといった、往年のパンクキッズなら誰もが知るバンドばかり。それでもまだ「なんであのバンドは入っていないんだろう」と気になってしまうのはKen Yokoyamaだからこそ。 さらに、楽曲のチョイスも非常に興味深い。なぜその曲を選んだのかそれぞれ理由を聞いていきたいぐらい好奇心を掻き立てられる。  サウンドからもオリジナルに対するリスペクトと愛情を感じる。意表は突かない。笑いもない。実直さが際立つアプローチに好感が持てる。 どの曲が一番とは言えない。聴く人によって熱くなる曲は異なるだろう。リード曲がNOFX「Stickin’ in My Eye」というのもいい。 NOFXは今年10月に終了するツアーを最後に解散することが発表されている。彼らを敬愛する横山だからこそのチョイスだと言える。 今作をただのカバーアルバム、ただの企画盤だと受け止められないのは、そこにバンドの強い意志を感じるからだ。 もちろん、こういう作品を出したかったという創作欲が一番だとは思う。しかし、これは長年にわたってシーンの先頭を突っ走ってきたKen Yokoyamaとそのメンバーからのパンクロックに対する恩返しでもあるのだ。 2024/10/16 発売

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