マーラー:交響曲第6番「悲劇的」
マゼールという指揮者の本質的な美点が良く出た録音。練達のオーケストラを率いながら、物理的なバトン・テクニックがここまで有効に音楽を導き出せるということを例証してくれるようだ。数多ある同曲録音中でも、リスニングにはスコア必携の秀演。
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マーラー:交響曲第1番「巨人」マーラー:交響曲第1番「巨人」
ウィーン・フィル初のマーラーの交響曲全集からの分売。遅めのテンポ設定で、作品の叙情的側面を際立たせた穏やかな「巨人」である。表面上は少しも作為的には感じられないが、じっくり聴き込むと、マゼール流のスコア分析が散見され、ニンマリとさせられる。 2005/04/20 発売
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
意外にすっきりした演奏で、マゼールのエグさがあまり感じられない。この曲は結構厄介で、楽器の使い方や編成、構造など、バランスが取れているようないないような。要するに曲自体がエグいのだ。マゼールは、そうしたエグさ(もしかして長所か?)を昇華させた。 2005/04/20 発売