ララバイズ・フォー・ザ・ドーマント・マインド
カナダのメロディック・デス/メタルコア・バンド、ジ・アゴニストのセカンド・アルバム。女性シンガー、アリッサによるシャウトとメロディの歌い上げを巧みに織り交ぜた音楽は凶暴でかつ妖艶。ドラマティックな曲作りも聴きごたえ十分だ。
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モントリオールのメタルコア・バンドの1作目。女性ヴォーカリスト、アリッサのスクリームとクリーンを使い分ける表情豊かな歌唱と、たたみ掛けるようなサウンドが相乗効果となり、インパクトに満ちたメロディック・デス・メタルを聴かせてくれる。 2007/11/21 発売
悪魔のエクストリーム・ヴォイスと天使のクリーン・ヴォイスがせめぎ合う!ジ・アゴニストの5thアルバム『ファイヴ』が完成! ヴィッキー・サラキスが遂に覚醒、メロディック・デス・メタル黙示録の刻(とき)が来た! 2004年にカナダのモントリオールで結成されたジ・アゴニストはダニー・マリノのヘヴィかつメロディアスなギターと アリッサ・ホワイト・グルーズの変幻自在な女声ヴォーカルが織り成すメタル・サウンドで世界的な人気を確立する。 3枚のアルバムを発表後、アリッサがアーチ・エネミーに加入するために脱退、バンドの存続に暗雲が垂れ込めることになった。 だが彼らはヴィッキー・サラキスを加えて復活。アルバム『アイ・オブ・プロヴィデンス』(2015)は、 バンドが活動を続ける強い意志を感じさせる力作だった。そして2016年、ジ・アゴニストは自らが「創造性が噴出した最高傑作」と 語る5thアルバム、その名も『ファイヴ』で還ってきた。 バックチェリーやヘイルストームなどを手がけたマイク・プロトニコフをプロデューサーに迎えた本作は、バンドの軌跡と同様、 起伏に富んだサウンドで迫るアルバムだ。威圧感あふれるギター・リフから劇的な展開を見せる「ザ・モーメント」から暴力的な スピードで押しまくる「ザ・チェイン」、ハードな勢いとメロディアスなフックを兼ね備えた「ジ・オーシャン」など、 多彩なアプローチで魅せる。ダニー・マリノとパスカル“パコ”ジョビンのツイン・ギターも炸裂、「ザ・ヴィレン」などで スリリングなプレイが全開だ。ヴィッキーも野獣のようなデス・ヴォイスとメロディアスなクリーン・ヴォイスの双璧を軸に、 独自のアイデンティティを持ったヴォーカルを聴かせる。「ジ・アンカー・アンド・ザ・セイル」ではエクストリーム・チューンに 乗せて異なった両スタイルが火花を散らし、「ザ・レイヴン・アイズ」でのジャジーな歌唱は彼女の新たな魅力を切り開いている。 「ザ・パスート・オブ・エンプティネス」では伸びのあるストレートなヴォーカルを披露、「ザ・マン・フー・フェル・トゥ・アース」では ミッド〜スロー・テンポの曲調に絶妙な息づかいで苦悶を表現しているし、「ザ・トライアル」はシアトリカルな闇のオペレッタと呼ぶことが 出来るものだ。「多くの曲にストーリーがある。このアルバムを聴くことは、我々の世界に逃げ込んでくるようなもの」とヴィッキーが 語るとおり、『ファイヴ』はジ・アゴニストの創り出すメタリック空間への旅路なのだ。前作でバンドの音楽スタイルを再確認したジ・アゴニスト が新たな可能性に向かって旅立つ『ファイヴ』は、彼らがメロディック・デス・メタル新世代の旗手となることを予見させる。 さらに本編ラストではアイルランドのシンガー・ソングライター、ホージアの2013年のヒット曲「テイク・ミー・チャーチ」をカヴァー。 ダークかつソウルフルにカヴァー、ジ・アゴニストのスタイルで完全咀嚼している。 日本盤ボーナス・トラックとして「ザ・レイヴン・アイズ」のアコースティック・ヴァージョンを収録。 ヴィッキーの熱唱は、息を呑むエモーションが込められている。 <収録内容> 01. ザ・モメント 02. ザ・チェイン 03. ジ・アンカー・アンド・ザ・セイル 04. ザ・ゲーム 05. ジ・オーシャン 06. ザ・ハント 07. ザ・レイヴン・アイズ 08. ザ・ウェイク 09. ザ・レザレクション 10. ザ・ヴィレン 11. ザ・パスート・オブ・エンプティネス 12. ザ・マン・フー・フェル・トゥ・アース 13. ザ・トライアル 14. テイク・ミー・トゥ・チャーチ(ホージア カヴァー) 15. ザ・レイヴン・アイズ(アコースティック ver.)*日本盤限定ボーナストラック 【メンバー】 ヴィッキー・サラキス(ヴォーカル) ダニー・マリノ(ギター) クリス・ケルズ(ベース) サイモン・マッケイ(ドラムス) パスカル“パコ”ジョビン(ギター) 2016/09/28 発売
現ARCH ENEMYの女性シンガー、アリッサ・ホワイトーグルーズを輩出したカナダのエクストリーム・メタル・バンド、ジ・アゴニスト。 メタルコアを基盤にプログレ、ジャズ、クラシック音楽の要素を盛り込んだ独自のサウンドを進化させたニュー・アルバムをリリース! 現ARCH ENEMYの女性シンガー、アリッサ・ホワイトーグルーズが在籍していたことでも知られるカナダはケベック州モントリオール出身のジ・アゴニスト。 このバンドは、2004年にアリッサ、ダニー・マリノ[g]、クリス・ケルズ[b,vo]の3人によって結成されている。 ちなみにダニーは、MAHOGANY RUSHのリーダーとしても知られるギター・ヒーロー、フランク・マリノの甥だ。 当初はTHE TEMPESTというバンド名だったが、『Century Media』と契約してワールドワイドでデビュー・アルバムをリリースするにあたって そのバンド名は余りにもありきたりであると考え、また同名のバンドがいたこともあってジ・アゴニストに改名している。 そのデビュー・アルバム「ONCE ONLY IMAGINED」は、2007年にリリースされている。この時点でサイモン・マッケイ[ds]が加入していたが、 タイミングの関係上、アルバムではゲストを起用している。さておき、ヘヴィでアグレッシヴでブルータルで、なおかつメロディックでキャッチーで コマーシャルなサウンドはここ日本でも高く評価された。スクリームとクリーンを完璧に使い分ける表現力豊かなアリッサのヴォーカルも大きな魅力だった。 2009年には2nd「LULLABIES FOR THE DORMANT MIND」をリリース。前作を進化させた内容で、PV化された“Thank You, Pain”はこのバンドの代表曲になった。 2010年2月にはHEAD PHONES PRESIDENTを従えての初来日公演が実現。この時はセカンド・ギタリストとして、CRYPTOPSYのメンバーでもあり、 1st、2ndのプロデューサーでもあるクリスチャン・ドナルドソンが同行した。2012年には正式なセカンド・ギタリストとしてパスカル・ジョビンを迎えた 5人編成による3rd「PRISONERS」をリリース。同年11月には二度目の来日公演が実現した。サポートを務めたのはALDIOUSだった。 そして、2014年。アリッサがアンジェラ・ゴソウの後任としてARCH ENEMYに移籍する。この時起こったことは、アリッサにとってもジ・アゴニストにとっても 苦い思い出でしかないだろう。アリッサは「2つのバンドを並行してやろうと思っていたのに、(ジ・アゴニストの)他のメンバーにその機会を奪われた。 追い出された」と辛辣な言葉を浴びせた。アリッサの気持もよく判る。フェイヴァリット・バンドの1つであるARCH ENEMYから声が掛かったのだから受けない手はないし、 2つのバンドを並行してやっていこうと考えていたのも事実だ。しかし、アリッサのARCH ENEMY加入を「WAR ETERNAL」(アリッサ加入後のARCH ENEMYの第一弾。 2014年リリース)の完成後に間接的に聞かされたという他のジ・アゴニストのメンバーの気持も判る。彼らが「このまま続けたらフルタイム・バンドとしての ジ・アゴニストはもうおしまいだ。ARCH ENEMYのシンガーのサイド・プロジェクトになってしまう」と危機感を抱いたのも判る。 ジ・アゴニストよりもARCH ENEMYの方がビッグなのだから、アリッサがそちらを優先して動くことはある意味当然だった。 ダニーがヴィッキー・サラキス、ギリシャ人の両親を持つシカゴ出身のこの女性シンガーの存在を知ったのは、インターネットの動画サイトで、だった。 彼女はIRON MAIDENやNEVERMORE、NIGHTWISHの曲の他、“Thank You, Pain”を歌っていた。ダニーは早速コンタクトを取るが、最初は「アリッサが辞めるので、 ジ・アゴニストのオーディションを受けてみないか?」ではなく「別プロジェクトをやろうと思っているので、君のことをもっと知りたい」と言ったそうだ。 ジ・アゴニストとARCH ENEMYはどちらも『Century Media』の所属で、レーベルを介して「しかるべき時が来るまでどちらも何も言わない」という取り決めをしていたためだ。 そして、音を合わせたり話をしたりしているうちに“相思相愛”になっていき、“しかるべき時”が来るとジ・アゴニストはヴィッキーに正式に加入をオファーする。 アリッサのARCH ENEMY加入とヴィッキーのジ・アゴニスト加入の発表はほぼ同時期だった。 ヴィッキーを迎えた新体制による4th「EYE OF PROVIDENCE」は2015年にリリースされた。音楽的に大きな変化はなく、 ヴィッキーもアリッサと遜色のないヴォーカルを聴かせた。スクリームを本格的に始めたのがジ・アゴニストに入る約1年半前だったというのが信じられないくらいに。 2016年には、『Napalm Records』に移籍して5th「ファイヴ」をリリース。2018年8月には、三度目の来日公演が実現した。 この時はCELLAR DARLINGとのダブル・ヘッドライナーで、他にもゲスト・バンドが出演した。 そして、ここに6thアルバム「オーファンズ」がリリースされた。メタルコアのヘヴィネスとアグレッションを基盤にしながらプログレ由来のテクニカルな展開、 さらにはジャズやクラシック音楽の要素を盛り込んだサウンドは健在だ。ヴィッキー加入後に増えたオーセンティックなHM/HR色の強い曲もある。 さらなる飛躍が期待出来るアルバムだ。 【メンバー】 ヴィッキー・サラキス (ヴォーカル) ダニー・マリノ (ギター) クリス・ケルズ (ベース) サイモン・マッケイ (ドラムス) パスカル・ジョビン (ギター) 2019/09/20 発売