ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 作品21 交響曲第2番ニ長調 作品36
どこまでがきちんとした考証に基づくものか、どこまでがノリントン個人のアイディアなのか、聴いているとしきりに“表現のための表現”という言葉が浮かんでしまう。歴史は巡る。19世紀ロマン主義的演奏と決別したはずなのに、また微妙に回帰の気配が。
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ベートーヴェン:交響曲第3番ホ長調「英雄」 作品55 交響曲第4番ロ長調 作品60ベートーヴェン:交響曲第3番ホ長調「英雄」 作品55 交響曲第4番ロ長調 作品60
何とも精悍な「英雄」だ。響きは現代楽器によるものだが、強烈なアクセントのつけ方やダイナミズム(とくに硬い音質のティンパニが効果的)など毛羽立つように終始刺激的だ。古楽演奏で培われたノリントン独自の表現スタイルが“現代”に殴り込みをかける。衝撃の走る一点。 2004/10/27 発売
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調「運命」作品67 交響曲第6番ヘ長調「田園」 作品68ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調「運命」作品67 交響曲第6番ヘ長調「田園」 作品68
きわめて今日的な耳の関心で洗い直された仕掛け満載のベートーヴェン。古楽奏法を模した音のキメの身振り、すっきり見通せる響きのクリアネス、単刀直入なダイナミズム、そして快感を呼ぶ速さ。運命は四の五の言わずカッ飛び、田園は悠久に時を失わない。斬新。★ 2004/10/27 発売