ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調 作品92 交響曲第8番ヘ長調 作品93
ラトルのような細部のピック・アップはそれほど目立たないが、スタカートやデュナーミクの処理など、語法に明確な意志が聴かれるのはこの指揮者らしい。トランペットをはじめライヴゆえの傷は、パワフルな推進力やフレッシュな愉悦感が十分にカヴァーしている。
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ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 作品21 交響曲第2番ニ長調 作品36ベートーヴェン:交響曲第1番ハ長調 作品21 交響曲第2番ニ長調 作品36
どこまでがきちんとした考証に基づくものか、どこまでがノリントン個人のアイディアなのか、聴いているとしきりに“表現のための表現”という言葉が浮かんでしまう。歴史は巡る。19世紀ロマン主義的演奏と決別したはずなのに、また微妙に回帰の気配が。 2004/10/27 発売
ベートーヴェン:交響曲第3番ホ長調「英雄」 作品55 交響曲第4番ロ長調 作品60ベートーヴェン:交響曲第3番ホ長調「英雄」 作品55 交響曲第4番ロ長調 作品60
何とも精悍な「英雄」だ。響きは現代楽器によるものだが、強烈なアクセントのつけ方やダイナミズム(とくに硬い音質のティンパニが効果的)など毛羽立つように終始刺激的だ。古楽演奏で培われたノリントン独自の表現スタイルが“現代”に殴り込みをかける。衝撃の走る一点。 2004/10/27 発売