1991年発売
ウェザー・リポート結成直前にヴィトウスが録音した見事クリエイティブなリーダー作。発表当時は、エレクトリックな展開を見せる(1)に圧倒され、ベーシスト達は驚喜した。マクラフリンの参加をはじめメンバーも錚々たる布陣。未だ色あせない佳作と言える。
ビートニクを思わせる風貌のハービー・マンの大ヒット曲「カミン・ホーム・ベイビー」は、ジャズ・ボサ・ブームを代表するポップ・ナンバーだ。コンボ・スタイルによるポップ・ジャズが持つ単純明解さと個人技によるエンタテイメントの醍醐味が楽しめる。
1968年録音のハービー・マンのビッグ・ヒット。発表当時は硬派ジャズ・ファンから白い目で見られたのだが、いかにもアトランティックらしい作品でもある。ワン・コードものの火付け役としても効力が大きかった。ラリー・コリエルの(3)でのソロは泣ける。
注意深く聴けばもの凄いテクニックが繰り広げられているにもかかわらず、観賞者はそうした技術レベルに威圧されることが全くない。平明な和声感覚と温厚な人柄ゆえだろう。名手のこの初リーダー作には、ピアノ・ジャズに求められる洒落っ気が網羅的。
ボブ・ディランの名曲(1)で名高いキース・ジャレットの60年代を代表するライブ盤。当時チャールス・ロイドのカルテットで活躍していたキースだが、ここでのトリオ・ミュージックには80年代スタンダーズの原点ともいえる要素を随所に感じさせてくれる。
ぼくがローランド・ハナの存在を始めて知ったのはこのアルバムだから、同じように今回のCDリリースを嬉しく思う人もたくさんいると思う。何せ、ジャケットの女性を見て彼を女性だと思ってしまった。たぶん彼のクラシカルな技法が堪違いの原因だ。
“ソロ・ピアノ名盤”企画などの選出に際しては不可欠の作品。表題通り72年のモントルー・ジャズ祭で繰り広げられたソロ・パフォーマンスは、全編に漲る突出した覇気が凄い。そして、サウンドの柔和な落ち着きを聴くことでブライアントの底力を知る。