音楽むすび | 1993年11月発売

このところフリッチャイやマルケヴィチといったステレオ初期に活躍した指揮者の録音が相次いでCD化されている。この盤もロンドン響と「マンフレッド」を含むチャイコフスキー交響曲全集からのもの。論理的な構築とシャープな棒のキレ味は今なお説得力を持つ。

アッカルドのソロは明るく透明な音色だが、ほのかな甘さを持ち、しかも確かな技巧としっかりとした構成力に支えられている。北ドイツ風の厳しく深い表現ではないが、そのすがすがしさは、やはり買いである。録音も非常に瑞々しく、きれいである。