1993年9月21日発売
「江差追分(祝儀唄)」で始まり「祝い目出度」でシメるという構成。「相撲甚句」は鎌田英一補作詞で若貴兄弟も登場。もっともこの手はもう少し渋めの声が…やはり陣幕親方あたりのノドで聴いてみたい。オットリしたノリで、歌い手の上手さがよく出た1枚。
ベスト的編集ながら、全曲再レコーディングされている。往年のヒット曲(2)(5)(7)には、ニューミュージックが誕生当初持っていた中庸の革新性がくっきり。今やそれが(4)のような新・保守の歌へと収束してきているわけだが。アレンジに、も少し工夫が欲しい。
ベネズエラ出身のピアニスト/キーボード奏者によるご機嫌なフュージョン作。西海岸の名手たちが参加したことによって、ここでの彼は明解なタッチとラテン系の明るい乗りを全編に渡って展開する。最近の注目株としてぜひチェックしておきたい1人だ。
大島渚監督、デビッド・ボウイ、ビートたけし共演の『戦場のメリー・クリスマス』はカンヌ映画祭にも出品され惜しくもグランプリはのがしたものの大変な評判を呼んだ。殊にボウイと坂本龍一のラストのキス・シーンは話題になったものだ。1枚はオリジナル・サントラ、そしてもう1枚は全曲ピアノ・ヴァージョンとして新たに録音し新曲「JAPAN」「CODA」を追加収録。メイン・テーマ「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」は日本の伝統音楽と東南アジアの民族音楽を融合した感がする。
MIDIレコードを設立して、第1作目の坂本のソロ・アルバム。YMOを散開して初のアルバムだけに、本人のコメントでも「YMOを引きずっている部分がある」と言っていたが、その分だけわかりやすく(?)なっている。またYMOへの決別にもなっている。
当時世界中で最も注目されていたモリサ・フェンレイのダンス・パフォーマンス、『エスペラント』のために作曲された音楽を収録したアルバム。坂本龍一の創り出すサウンドからは民族やクラシックなどさまざまな音楽を融合したような深いものを感じる。
『エスペラント』に続く本作は、マリネッティの未来派にインスパイアーされて、未来派野郎。これからは、混合文化の中からしか新しいものは生まれ得ないとよく言われるが、そういった意味では、よく溶けあっている。で、このあとは“ダダ”なのかな?。