1995年12月発売
ウー・ラ・ラウー・ラ・ラ
ロニー・レイン脱退の契機となった彼ら最後のスタジオ録音盤。とはいえ、分裂寸前のバンドにありがちな多極化が幸いして、内容的には変化に富むものになった。とりわけ、ロッドのいた当時としては珍しいロン・ウッドのソロ・ヴォーカル(10)が聴きもの。
チャイコフスキー、グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲チャイコフスキー、グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲
若手の成長株ヴェンゲーロフとアバドの組み合わせが興味の的。豊麗なヴァイオリンの響きが堪能できるグラズノフがお薦めだが、チャイコフスキーの優美な表現にも注目したい。いつになく情熱的な演奏を聴かせるアバドの溌剌とした指揮も聴きものである。
ザ・ケイヴザ・ケイヴ
ケイヴは洞穴。洞穴はイスラエルとアラブの祖アブラハムを埋葬したというマクペラの洞穴。これはキリスト教徒、ユダヤ教徒、イスラム教徒への痛烈な問題提起だ。音楽(話し言葉の音楽化)、演劇、ビデオアートなどを複合した優れて現代的な舞台作品だ。
母ひとり〜愛情の玉手箱母ひとり〜愛情の玉手箱
(1)のイントロとエンディングの仰々しさは何なのだろう。もっと素直な音づくりがほしかった。確かにベテランの域にはあるが、こういうところで大物ぶってもねぇ。大作っぽいものに行きたい気持ちは分かるが、そんなことしなくても十分に大物なのだから……。