1995年12月発売
静かで目立たない楽器だったベースもジャコ・パストリアスの出現により表通りに登場するようになった。チョッパー奏法を得意とする鳴瀬喜博が我が国を代表するベーシストであることに異論はないだろう。バーボンに残した4枚からのベスト・セレクション。
'60sポップスを楽しいパーティ気分で聞かせたグループ、ザ・ヴィーナスのベスト・アルバムです。リード・ヴォーカルのコニーのキュートさを生かし、アメリカン・ポップスをカヴァーしている。'80年代初頭にいくつか登場したポップ・グループのひとつ。
2枚組と1枚ものの2種類のベスト盤が同時に出た。彼らは極めてアジア的な集団だ。盆踊りの輪の中に乱入したサムルノリがまちがってガムランのゴングをたたきながらアジびらを播きつつ丸井ヤング館で買物しているような。
ジャケットを見て思わず苦笑。このファッションが流行の先端だった時代のアルバムです。(5)の大ヒットで名を残したグループだが、どこといって特徴のないところが辛い。巧いハコバン止まりという印象が当時も今も拭えないところに限界があったようだ。
フォーク・ロックの歌謡グループ的展開の一例として評価されていいグループがセルスターズだろう。(2)の大ヒットだけが印象に残っているが、それも仕方ないのがこのグループの特徴で、コーラス、サウンド、曲調がどれをとっても一色という見事さだった。
どんな歌をうたっても北原ミレイ・スタイルになるのが凄い。さらに歌には美しい花だけでなく棘があることを痛みをもって気づかせる。阿久悠、村井邦彦コンビによる(10)(12)を聴けば聴くほど、山崎ハコの(5)への流れが了解でき、ハコの凄さも理解できる。
ビル・エヴァンスが加わっているマイルス・デイビスのコンボの未発表テイク。もちろん往年のジョン・コルトレーンなどのメンバーも加わっており、マイルス最盛期の作品集としてとても貴重な一枚。モードの時代にもかかわらずビ・パップ風な演奏だ。
マイルス・デイビスのもとを離れて一年余、自己のジャズ精神を奔放に発揮し始めたコルトレーンが、ドルフィーとの出会いでさらに新しい世界に踏みこんだ。おなじみのナンバーが並んでいるが、いずれも熱のこもったインプロヴィゼーションが味わえる。
カーネギー・ホールでの'49年12月25日と'52年12月14日の演奏が収録されている。(4)はディジー・ガレスピーとの共演で、二大巨頭が顔を合わせたことだけで大満足、という場内の雰囲気が伝わってくる。レッド・ロドニーのトランペットが聴きもの。
早いもので没後して10年以上が経過しているのに、各方面からの未発表音源の登場が衰えることのないビル・エヴァンス。これは72年のトリオによるコンサートの模様を収めたもの。音質も良好で、おなじみのナンバーを味わい深く仕上げているのが印象深い。
白人的な機知を散りばめるのに長け人気を博していた名コンビの掘り起こしライヴ盤。54年カリフォルニアで録られたものが主で、(8)以降は59年のニュー・ポート・ジャズ祭におけるものとか。洒落た感覚で協調していたありし日の様子を伝えてくれる。
ブレイキー、黄金時代の幕開けとなった面子によるライブ。名作『オランビア劇場〜』の3日前に録音されたもので、鉄壁の布陣で欧州人に黒人ジャズの醍醐味を布教(?)していた様子が収められている。とくに、モーガンの閃きに富んだプレイにはニッコリ。