1997年4月発売
ベルク:弦楽四重奏曲ベルク:弦楽四重奏曲
同SQの活躍した時期は60年代。わずか10年あまりだが、この演奏を聴くかぎり評判通り“惜しまれる”存在であったことは疑いない。演奏難度の高い演目を、かくも精密にしかも情緒たっぷりと奏したものがあるだろうか。とりわけ(1)の豊艶さは必聴に値する。
モーツァルト:弦楽四重奏曲第20番ニ長調モーツァルト:弦楽四重奏曲第20番ニ長調
61年からウィーンpoのコンサート・マスター、ボスコフスキーを中心に活動を始めたのがウィーン・フィル四重奏団。次々とメンバーが入れ代わり10年足らずでその活動を終えたが、このアンサンブルの調べはまさしくウィーンの響き。貴重な録音だ。
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調シューベルト:弦楽四重奏曲第14番ニ短調
1人1人の弦の音が絡み合うように聴こえてきて柔らかな調和をなすウィーン・フィル四重奏団の音色。歌に通じる、人のぬくもりが満ちあふれたシューベルトの音楽にはこの暖かいサウンドが実によく合う。軽やかにほのぼのと奏でられる優しいシューベルト。
ベートーヴェン:交響曲全集〜序曲集ベートーヴェン:交響曲全集〜序曲集
カラヤンにとって3回目の録音だが、おそらく最高の出来といえば、この全集になるだろう。それに比べれば、80年代の全集ははるかに硬い表現で、オケの音質もシャープだが厚み不足。たとえば、「田園」の冒頭の軽やかさ、また木管を巧みにからませた表現が生み出す生命感…70年代版のほうがいい。とくに初期の作品にみせる躍動感が素晴らしい。この時期がカラヤンのピークだった。
新ウィーン楽派管弦楽曲集新ウィーン楽派管弦楽曲集
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ユニバーサルミュージックプロの為の重要作を一般音楽ファンの為の傑作に生まれ変わらせたとされる、数あるカラヤンの名演の中でも異色屈指の1枚。ベルリンpoの驚くべき演奏能力に支えられ、好みは別として各曲とも別物の如く豊麗かつ劇的にウネって圧倒的である。