1997年4月発売
リヒター/ヴェンツィガー|ヘンデル/王宮の花火の音楽|テレマン/水上の音楽《ハンブルクの潮の満干》リヒター/ヴェンツィガー|ヘンデル/王宮の花火の音楽|テレマン/水上の音楽《ハンブルクの潮の満干》
発売元
ユニバーサルミュージックグレゴリア聖歌集グレゴリア聖歌集
「伝統の地をたずねて」というシリーズを1枚にまとめた編集ものだが選曲が実によく考えられており、これ1枚でグレゴリオ聖歌のエッセンスを味わうことができる。気になってはいるが、どこから入っていいか途方に暮れている入門者にうってつけのCD。
モーツァルト:ディヴェルティメント第17・10番モーツァルト:ディヴェルティメント第17・10番
(1)は非常に有名な曲で録音は多いが、この演奏はその中でも最美ではあるまいか。特に第1ヴァイオリン、フィーツのしたたるような艶やかな音色は絶品。全体のアンサンブルも典雅で暖かい雰囲気がいっぱいにあふれている。(2)も同様の名演。音質もまだまだ現役。
ハイドン:ロシア四重奏曲ハイドン:ロシア四重奏曲
ハイドンの音楽は「型」や「健康美」ばかりが目立って、ともするとナイーヴな部分が切り捨てられがち。そこに光を当てたのがこの演奏。なおここに収められた第83番は、ハイドン最後の弦楽四重奏曲で、全4楽章のうち2・3楽章のみが完成されている。
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番変ホ長調「ハープ」ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第10番変ホ長調「ハープ」
ヴェラーSQの録音の中でも特に優れた1枚と言えるだろう。このように作曲家の緊迫感にあふれたドラマ性と、ロマンティックな情感の双方を見事に両立させた演奏は、ほかに思い当たらない。みずみずしい気品を持った、いかにもウィーンのベートーヴェンだ。
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第12番変ホ長調
59年ウィーン・フィルの若手奏者(20〜30歳)によって結成されたというヴェラー四重奏団。10年余りの活動の後惜しまれつつ解散したがその名演がCDとして蘇った。艶やかな明るい音色で歌い上げられるこれら古典派の3曲は、今日もなお瑞々しい。
シューベルト:弦楽五重奏曲ハ長調シューベルト:弦楽五重奏曲ハ長調
VPOのメンバーによって結成されたヴェラーSQは、名門ウィーンSQに連なるウィーン室内楽の伝統継承者。活動末期の録音('69〜'70年)によるシューベルトには古き良きウィーン気質が健在である。黄昏時の燕尾服たち……。