伝統的な箏よりも7本多い二十絃箏を積極的に使って新しい領域を開拓している吉村七重。西村の名曲「タクシーム」を始め、吉松、三木、助川らの力作が、非常な集中力をもって演奏されている。チェロの毛利伯郎も、曲を的確に把握して秀逸。
若手実力派、漆原朝子のフランス近代ソナタ集。このヴァイオリニストの才能の豊かさを如実に示すディスクで、誠実に作品に取り組む姿勢にも好感がもてる。さらに音色に対するいっそうの配慮とユーモアのセンスが加われば、もう何も言うことないのだが…。