1999年6月2日発売
ウクレレを中心にしてさまざまに音楽を表現。ハワイアンはもちろんのこと、ジョージ・ベンソンで有名なフュージョンの「Breezin'」の再演やブータンのメロディを無国籍風に演じるなど意欲満々。しかし本筋は外していない。ウクレレへの強い愛情が感じられる。
実力派サックス奏者ギャレットのワーナー移籍後5枚目の本作は、現在のレギュラー・カルテットを核に、ストレートな4ビートからコンテンポラリー色の濃い8ビートまで、バラエティに富んだ構成。メセニー、ミラーが2、3曲ずつ参加しているのも魅力。
山下達郎にとって10枚目になる83年6月発表のアルバム。本人は“青春の回想にしようと思って、自分のネ。それを元にしたフィクション。だから、ちょっと男っぽくしたかった”と言ってた。魅力的な張りのある歌声にうっとり。
前作『メロディーズ』から3年ぶりのオリジナル・アルバムだけに、もっと派手な作りになっているかと予想していたが、意外なほど地味。しかし、聞けば聞くほど味が出るタイプ。シンセを駆使していながら、テクノな感じの音には聞こえないのです。
重厚。といっても前作『ポケット・ミュージック』の鍛えぬかれた“なんでもなさ”、ふまえてのそれだから、変わんないね〜と安心して聞けちゃう人も、おそらく多数いるだろね。その気で聞けば十分腹に溜まる、二段重ねのお弁当的力作かつ武骨な名人芸。
本格的なライヴ作としては初の試みで、10年間の活動を集決算したような選曲、内容になっている。全精力を傾けて、完璧なスタジオ作を提供してきた人だが、ここでもその姿勢が貫かれ、ライヴの熱気を伝えつつも、ライヴとは思えない完成度を誇っている。
何といってもタイトルがいいよね。ジャケットもあのミリポルスキー。と、音楽意外のことをほめてお茶をにごそうというわけではない。ずっとリズムにこだわっていた彼だが、歌詞、リズム、メロディー、ヴォーカルの四拍子が完璧に時代にフィットしている。
(15)以外はシングルで発表された楽曲。レベルの高さがズッと続き堪能させられた。これほど密度の濃い音楽を毎度作るのだから、そのパワーには恐れ入る。最新シングル(11)を聴くたびに、日本のポップスはまだまだ大丈夫だ、と安心してしまう昨今であります。
ナイアガラ・レーベル創立20周年で、カタログ第1号“伝説の名盤”が今よみがえる。伝説のデモテープ、伝説の解散コンサートライヴのボーナス・トラックで“伝説神話”がさらに強化された。達郎ポップスの原石がゴロンと投げ出された感じがする。
まりやが帰ってきた、と実感させてくれたアルバム。'60年代の白人ガール・シンガーの持っていたキュートなボーカルの魅力が、このアルバムでまりやのものになっている。色々なタイプの曲を、プロデューサー山下達郎がまりやに合うようにつくっている。
青春を抱き続ける大人たちのポップスを歌える唯一の女性シンガーと言いたくなる竹内まりやの3年ぶりの新作。アイドルのために書いた曲も、異和感なく聞かせるまりやのヴォーカルには、艶っぽさが出てきた。女性にうけそうな内容を持った歌が多い。
日本のカレン・カーペンター竹内まりや、5年ぶりのアルバム。プロデュースはやはり山下達郎氏。「もう若くはない」という説得力が淡い諦めと深い安心の元に歌われると、途端に彼女のラヴ・ソングは輝きだします。だから熟れてます。艶も余裕もあります。
10年前のレコード会社移籍後の、初のベスト・アルバム。それはイコール、プロデューサーとしての山下達郎の存在が欠かせない彼女の世界ということになる。もちろんまりやが主役だが、達郎のセンスも見逃せず、素敵な夫婦合作作品のオン・パレードだ。
こういうアルバムをつくってしまえる、というところにまず脱帽。正直いってクリスマス・ソングは隔靴掻痒の感あり、という世代の筆者にとっては純粋に音楽として楽しめる作品は本気でうれしい。達郎氏のサンタ姿を表ジャケに使わなかったセンスを評価する。