2000年2月発売
62年発表のデビュー盤。極東の島国でもおなじみのPPMの、特に団塊の世代には忘れられない(2)(8)(9)(10)(12)などを収録した永遠の名盤だが、60年代以降に生まれた若い音楽ファンが聴いても、やっぱり懐かしいと思うらしいから、音楽ってのは不思議なもんだ。
モダン・フォークの雄PPMのセカンド・アルバムで、63年に発表された。同年夏の大ヒット(5)や日本で大いに受けた(2)、シング・アウトの定番(6)など、今聴いても実にモダンなサウンドなのです。彼らの魅力を一言でいうなら“陽気な知性”だろうか。
ジャンルを超えたアーティストとのコラボレーションが大好きなブロドスキーQ。ベスト・アルバムとなってはいるが、彼らのそんな柔軟な音楽性にスポットを当てた構成。コステロとの顔合わせは今も新鮮だが、クラシックの小品たちの美しさも特筆ものだ。
バーズ脱退後の73年に発表した初ソロ。バンジョーやマンドリン、フィドルを前面に出したカントリー/ブルーグラス色濃い内容で、盟友ギブ・ギルボー、クラレンス・ホワイトらの好サポートも光る。リトル・フィートのカヴァー(4)や(11)などのバラードが染みた。
剣の舞だろうが夜の女王のアリアだろうが、速いパッセージを軽々と吹いていく。フィンランド期待のトランペッターだ。巧い、そして音色も魅力的だ。それ以上にどこかクールさのある表現に惹かれる。ヴォカリーズや憂鬱なワルツの透明な叙情にこそ注目。
このところ話題盤を発表しているフィンランド出身のトランペッター、ハルヤンネの新譜は「アダージョ」と題したクリスマス企画。これまでの破天荒なテクニックのイメージが強かったが、音色の相性ピッタリのオルガンを伴奏に静謐な世界を繰り広げている。
ヨウコ・ハルヤンネは1962年フィンランド出身のトランペット奏者。彼の発案で、20世紀アメリカで書かれたトランペット・ソナタを収録。映画音楽やジャズに触発された4曲を輝かしい音色で自在に奏しており、優れた技巧も魅力。ピアノの表情が少し堅い……。
グワーンと低音を鳴らしておいて、その上に薄くクリスタルに高音をキラめかせ、走れば光、浮かべば神秘、ぶつかりゃ戦い、淀めばカオス。60年生まれのエストニアの作曲家によるこの曲集、こうした堂々たる“アッタリマエ”さかげんがアッパレなのだ。
ペルトやスメラなどの作曲家を輩出したエストニアは、現代音楽において独特な存在感のある“場所”だ。どの曲も表現の“新しさ”のみを追求するのでなく、作曲家の根源的で切実な欲求に基づいた、表現への強力な意志を感じさせ、それが聴き手を揺り動かす。