2005年6月22日発売
バロック期に盛んに作られていた組曲という形式の、最後期に当たる作品。舞曲の集合という性格が弱まり、新時代の鍵盤楽曲の萌芽が見られる曲集になっている。入魂の演奏が、新鮮さを作り出している。
実に魅力的な「フーガの技法」の演奏である。思いのほか潤沢で清澄なチェンバロの響きが、レオンハルトの陰影深い表現と相まってグイグイ引きこまれる“音楽”として流れる。オーセンティックな解釈でありながら切々と身に染み入る極上の演奏である。
レオンハルトの2度目の録音。斬新で大胆な演奏は、当時大いに話題をさらった。非常にきめ細かなアーティキュレーションとフレージング、独特なアゴーギグなど、グールドの録音に匹敵する衝撃作。
想いが翔び才気が走りワザに目くるめく。緻密堅牢に構築されじわり熱くなるバッハとは対極の音の姿がこれら幻想曲には結晶している。鋭敏な即興性で時にカッと熱く響きを解き放つシュタイアーの演奏は、そのヘソを過たず捕まえてゾクとヴィヴィッドだ。★
クラリティ(明晰さ)とダイナミクスに優れた歯切れの良いバッハ、新装再登場。演奏、楽器、録音と3つのエレメントの絡み合いが1枚の(3枚組だが)ディスクに実を結ぶ。シュタイアーは、ピリオド楽器の鍵盤奏者としては珍しいくらいに、録音レパートリーはフォルテピアノが圧倒的に多い。不完全な楽器の機能的限界を知りぬいた上で、その美質をフルに生かす演奏を作り上げる術に優れた、真のヴィルトゥオジティを有する稀有な才能の証でもある。バッハ鍵盤作品の到達点をチェンバロを駆って描き出した真の名盤だ。
ルター派の礼拝でうたわれるコラールを、バッハがオルガン用に編曲した、比較的珍しい作品集。レオンハルトは、オルガンの名手でもあり、ここではシュニットガー・オルガンを使い、格調高く演奏している。
リュート奏者のユングヘーネルと、彼によって結成されたカントゥス・ケルンによる、楽器も声も1パート1人に通奏低音、という最小単位の編成による演奏。こうした編成での最初のモテットの録音で、当時は画期的なものだった。いまだにその新鮮さは減じていない。
制作・出演
イザベル・プルナール / ギルメット・ロランス / グスタフ・レオンハルト / グスタフ・レオンハルト&ラ・プティット・バンド / ジョン・エルウェス / マックス・ファン・エグモント / ラ・プティット・バンド / ルネ・ヤーコプス同曲の代表的録音のひとつ。歌手陣もルネ・ヤーコプスらバロック宗教音楽のスペシャリストをそろえ、オーケストラともども、レオンハルトの抑制されたバッハを表現しようとする指揮の下、活き活きと演奏している。
制作・出演
クリスティアン・フリークナー / クリストフ・プレガルディエン / グスタフ・レオンハルト / テルツ少年合唱団 / マキシミリアン・キーナー / マックス・ファン・エグモント / ラ・プティット・バンド / ルネ・ヤーコプス福音史家の第一人者、プレガルディエンをはじめ、バロック音楽に精通している声楽家を集め、レオンハルトの指揮の下、ドラマティックな表現を抑えた、静謐なバッハを作り出している。いまだに重要な名盤。
制作・出演
J.S.バッハ / クリストフ・プレガルディエン / シギスヴァルト・クイケン / ニコ・ファン・デル・メール / ハリー・ファン・デル・カンプ / バーバラ・シュリック / マックス・ファン・エグモント / ラ・プティット・バンド / ルネ・ヤーコプス制作・出演
アンドレアス・シュタイン / ゲルハルト・シュミット=ガーデン / コレギウム・アウレウム合奏団 / テオ・アルトマイヤー / テルツ少年合唱団 / ハンス・ブッフヒール / バリー・マクダニエル / フランツ・レールンドルファー制作・出演
J.S.バッハ / イングリッシュ・バロック・ソロイスツ / ウィリアム・ケンドール / ジョン・エリオット・ガーディナー / スティーヴン・ヴァーコー / ソフィア・マッケンナ / モンテヴェルディ合唱団鈴木美登里やマグダレーナ・コジェナーらを擁し、長い年月をかけて獲得した熟達した演奏を繰り広げている。なんらの誇張もなく自然な流れを作り出し、瑞々しい新鮮なバッハを創出している。
制作・出演
J.S.バッハ / ウルリヒ・グレーリンク / エリー・アーメリング / コレギウム・アウレウム合奏団 / ジェラルド・イングリッシュ / ジークムント・ニムスゲルン / フリッツ・ノイマイヤー / ヘルムート・フッケ / ラインハルト・ペータース / ラインホルト・ヨハネス・ブールこの2曲は、世俗カンタータの中で、最も親しまれているカンタータ。オペラを書かなかったバッハの、最もオペラティックな作品でもあり、ユーモアあふれるやり取りが、活き活きと再現されている。