声楽を含む「指環」の抜粋盤だが、ここで聴くべきはやはり管弦楽パートにおける飯守の解釈だろう。「ジークフリート」終幕の二重唱を支える一つひとつのモチーフに宿る意味深い表情や、「ラインの旅」での確信に満ちた響きなどまさに円熟の味わいと言ってよい。