2007年11月発売
名が広く知られるきっかけとなった「白い蝶のサンバ」をはじめ、酒場や夜汽車から都会の片隅まで、描き出す世界の幅広さにあたらめて驚く。“たかが歌”と言わせないような詞を書きたい、と生前に語った氏の言葉が蘇る。近年はあまりマイクを持たぬ大女優10、11、17曲目の名唱にも注目。
作詞家・阿久悠の作品を歌った男性歌手のオリジナル曲を集成。決定打といえる曲が抜けてはいるが、企画性やコンセプト先行型だった阿久の作詞法が、ポップスの本質である同時代性を突いていると実感させる。それだけに魅力だった毒々しさは色褪せている。
ヴィレッジヴァンガードで3,000枚を売り上げたという男女アコースティック・デュオのデビュー作。タイトルどおり、まるでリヴィング・ルームでライヴをしているかのような静かで優しいサウンドと、千葉はなのスモーキーなヴォーカルが胸にしみる。
下北沢・渋谷などで活動する4人組のファースト・ミニ・アルバム。デモ作品を下北沢ハイラインレコードのチャート1位に送り込んでいただけに、まさに待望の正規盤。ヒリヒリする緊張感と切実なエモーションを感じる轟音は迷いがないぶん、清々しく聴こえる。
dipを率いる音楽家の91〜94年のソロをリマスタリングして収録。“90年代アシッド・フォーク・ロック”を中心に、手作りで心象風景を描く3作だ。ニール・ヤングの日本語カヴァーを英語で再録音し、4曲を加え、2007年のインタビューもブックレットに掲載。
台湾の才気あふれるシンガー・ソングライターによる『僕の未来が来る』(2003年)以来、約5年ぶりとなるアルバム。洗練されたセンスと細やかな表現、さらには簡素なロック・サウンドが見事に一体化しており、中国語の世界を視野に入れた可能性を感じさせる。
サン・パロール=言葉のない歌、のタイトルどおり、ヴォカリーズ作品を集めた企画性豊かな一枚(「パストラーレ」のみ歌詞あり)。20世紀前半に書かれたものが多いが、ほのかな抒情と官能性をまとう曲が多いのは、生身の声の可能性を引き出したゆえか。小泉の伸びやかな歌唱も聴きもの。
男性4人+女性ヴォーカルという編成のバンドのメジャー第3弾シングル。このバンド、すごい! 緻密なアレンジに高い演奏力、そしてほんの少しかすれた感じが魅力的なヴォーカル。どれをとってもハイ・クオリティで、彼らの世界に引き込まれる。★