著者 : はらだみずき
生きるために強く根を張ろう。どんな場所でも花を咲かせることができる、と信じてーー。衝動的に会社を辞めた真芽は、入院した一人暮らしの祖母・ハルの代わりに、かつて自分も住んでいた家の庭の様子を見にいく。だが花々が咲き誇ったはずの庭は、荒れ果てていた。ハルの不可解な言動と向き合いながら、真芽は庭の手入れを始める。認知症患者をめぐる家族と、枯れた庭。一筋縄ではいかない両者の、再生の物語。
神井航樹には、この春、大学4年生になる息子がいる。就職活動に悩む息子の様子を妻から聞いた航樹は、ひさしぶりに訪ねた銀座の街を歩きながら思い出していた。かつての自分の就活を。そして、就活の末に入社した、銀座に本社を構える紙の専門商社「株式会社銀栄紙商事」で過ごした数年間を。製紙メーカーによって抄造される紙の多くは代理店と呼ばれる特約商社が仕入れ、販売している。銀栄紙商事は、それら代理店のなかで中堅に位置していた。時は80年代。まさに雑誌の黄金期である。代理店各社は、用紙の確保に知恵を絞り、奔走していた……。 本は紙でできているーーそれは、時代が変わっても変わらない。雑誌黄金期に紙の「仕入」に奮闘する若者の仕事と恋を描いた、ハートフルな人間ドラマ。
高校2年生になった武井遼介は、Aチーム入りが叶わず、Bチームでもがいていた。インターハイでは、スタンドで応援役にまわるBチーム。遼介の中で、このままでは終われないという気持ちが強くなっていた。
高校三年生の遼介が所属する青嵐高校サッカー部は高校総体県予選を準々決勝で敗退し、変化の必要性を痛感していた。遼介はポジション変更を受け入れ、公式戦出場を果たすー。青春ど真ん中、サッカー小説の決定版!
2011年、高校生になった武井遼介は、関東の強豪サッカー部に入部する。東日本大震災から1ヶ月、普通にサッカーができる現状に葛藤を抱きながら、遼介は新入部員約50名でスタートした部活に励むーー。
中学校の同窓会の幹事をするはめになった宏樹だったが、参加者は一向に集まらない。出席率を上げるため、宏樹はかつての仲間たちの消息を尋ねる。クラスの人気者、優秀な委員長、落ちこぼれ、そして、ずっと会いたかったあの人…。だが、それぞれが思い出したくない過去や知られたくない現状を抱えていた。切なくてほろ苦い大人のための青春小説。
小学三年生の勇翔の夢はプロサッカー選手。父・拓也は、息子に現実を気づかせるため、無謀と知りながらもJリーグ下部組織のセレクションを受けさせた。それをきっかけに勇翔は「サッカーノート」を書き始める。拓也は子供のスポーツに過熱する親たちの中で、息子との向き合い方を見つめ直していく。スポーツを通して親子二人の成長と、子育てのリアルな悩み、喜びを描いた感動の家族小説!
県立青嵐高校サッカー部の武井遼介は、2年に進級してもAチーム入りが叶わず、Bチームでもがいていた。県3部リーグ優勝を目標に戦う中、遼介はチームのエース・上崎響と試合中に口論となり、衝突してしまう。上崎は、サッカーに対して迷いを抱えていた。インターハイでは、スタンドで応援役にまわる遼介らBチームの部員たち。Aチームのために声を嗄らし、練習を重ねた応援歌を熱唱するが、遼介の胸には、このままでは終われない、という気持ちが強くなっていきーー。
ワケあって、田舎暮らし、はじまる。 苦戦した就活でどうにか潜り込んだ先はブラック企業。働き始めて一ヶ月で辞職した。しかし、再就職のアテもなければ蓄えもない。そんな矢先、疎遠にしていた父親の訃報が飛び込んできた。孤独死したのか。どんな生活を送っていたのか。仕事はしていたのか。友人はいたのか。父について何も知らないことに愕然としながらも、文哉は南房総にある父の終の棲家で、遺品整理を進めていく。はじめての海辺の町での暮らし、東京とは違った時間の流れを生きるうちに、文哉の価値観に変化が訪れる。そして文哉は、積極的に父の足跡をたどりはじめた。「あなたにとって、幸せとは何ですか?」と穏やかに問いかけてくる、著者新境地の感動作! 【編集担当からのおすすめ情報】 千葉県は南房総、館山を舞台にした小説です。 解説は、丸善津田沼店の沢田史郎さんという千葉つながりです。 もちろん、作家・編集者とも千葉出身です。
白髪の無口なマスターが営む「バー・ピノッキオ」。カウンターにわずか8席の小さな店に、連日、仕事や恋愛に悩む客がやってくる。人生に迷い疲れた彼らは、店での偶然の出会いによって、それぞれの「幸せな記憶」を呼び醒ましていき…。そして、マスター自身もまた、誰にも言えない秘密を抱えていた。バーに集う人々が織りなす大人味の物語。
2011年、高校生になった武井遼介は、関東の強豪サッカー部に入部する。東日本大震災から1ヶ月、ふつうにサッカーができる現状に葛藤を抱きながら、遼介は新入部員約50名でスタートした部活に励む。しかし、全国大会を視野に入れたレベルの高い部内では、1年生チームの中ですらポジションを確保できずにいた。やがて1年生は2チームに分裂し、紅白戦が開催されることに。勝敗によって両チームの選手を入れ替えるサッカー版“大富豪”という特殊ルールで、遼介はチーム内での立場を思い知らされ、夏の1年生大会、ルーキーズ杯へと向かうーー。
県大会出場をかけた大事な試合で、遼介は右膝を痛めて負傷交代し、試合にも敗れてしまう。さらに監督の草間がベンチで倒れ、入院してしまった。遼介たち3年生にとって中学最後の大会となる夏の総体が1ヶ月後に迫るなか、キャプテンと監督を欠き、不穏な空気に包まれる桜ヶ丘中サッカー部。3年間をともに過ごした仲間たちとの、最後の夏がはじまるー。真っすぐでがむしゃらな少年たちを描いた傑作青春小説、堂々の完結。
就職した夏、保育士の向井すぐりは、新米営業マンの高萩草介と偶然出会い、付き合い始める。草介のことをもっと知りたいと望むすぐり。だが、草介は自分の過去の恋愛や家族について触れたがらず、なぜかデートの最中に突然姿を消してしまう。お互いをどこまで知ることが幸せな明日につながるのか…。男女の視点から恋の成長を追いかける、新感覚ラブストーリー。
隣の教室で偶然出会った女の子。想いを寄せるが、彼女のある噂を耳にし、自分から距離を置いてしまったー。心の奥底にずっと閉じ込めていた中学生時代の甘くもほろ苦い記憶。それを鮮やかに甦らせてくれたのは、愛娘が森の中で見つけた懐かしい花だった(「はじめて好きになった花」)。大切な過去、そっとしまっておきたい思い出を抱えて生きるあなたに贈る、珠玉のラブストーリー集。
高校生になったらサッカーをしようと心に決めていた春彦だったが、驚くべきことに、入学した新設高校にはサッカー部が存在しなかった。サッカーをあきらめられない春彦は部の創設に奔走するが……。
建設会社に勤める圭介は、広大な休耕地をもつ祖父の雄蔵に土地の有効利用を持ちかけていた。しかし、脳卒中から快復した雄蔵は圭介の提案を断ると、自分の命を救ってくれた少年について語り、荒れ果てた土地をひとり耕し始める。芝生の広場をつくる、という老人の夢に巻き込まれていく圭介は、両親と祖父母の確執の真実を知り、迷いのあった人生の舵を切る。愛しい人のために今を変えようと奔走する、家族の絆の物語。
「あんたの親父、亡くなったぞ」卒業し、入社一ヶ月で会社を辞めた直後のことだ。連絡してきたのは、名乗りもしないぶっきらぼうな男。孤独死だったのか?霊安室で対面した父は、なぜか記憶とはまるで違う風貌をしていた。文哉は、疎遠になっていた父の足跡をたどりはじめる。新境地の感動作。
出版社に勤める41歳の岡村は、突然の異動により、会社での居場所を失いつつあった。そんなとき、息子の陽平から中学校のサッカー部をやめると宣言される。息子の気持ちが知りたい岡村は、陽平の元コーチの真田に誘われ、草サッカーチームに参加することに。思うように身体は動かず、筋肉痛の日々。しかし、それぞれの事情を抱える仲間とボールを追ううちに、岡村の中で何かが変わり始めるー。今に悩む人の背中を押してくれる、人生の再出発の物語。
小学3年生の勇翔の夢は、プロのサッカー選手。ただ、本人は自分のレベルがよくわかっていない様子。そんな息子に歯がゆさを覚えている、かつて同じ夢を抱いた父の拓也はある行動を起こす。勇翔はその日をきっかけに、「サッカーノート」を書きはじめるのだが…。プロのサッカー選手になりたい。-それはいったい、だれの夢?共に悩みながら、歩んでいく、親と子の成長物語。