著者 : アイリーン・グージ
アニーが17歳、ローレル11歳の時にオスカー賞大女優の母親がアル中自殺をした。アニーは、弾みから継父をオスカーの像で欧ってしまい自分を慕っている妹を連れてニューヨークへ家出をした。伯母とのめぐりあいで貧乏せずに姉妹は美しい娘に成長していた。姉はチョコレート作りの名人をめざしパリへ、妹は画家になる夢をいだき、そして、ふたりはひとりの男ジョーに思いを寄せた。
ローレルは18歳の美しい娘時代に妊娠、ジョーの憐憫にも似た愛情からローレルは未婚の母を免れた。妹の幸福を思えば二人の結婚を祝福したい…だがアニーの心は虚しかった。世界中のチョコレート業者が注目するコンクールに準優勝したアニーは事業に成功。そしてパリ時代からアニーを愛していたエメットが、彼女の子供時代の懐かしい家ベル・ジャルダンを買い戻す準備をしていた。
色の浅黒いローズと色白のレイチェルは同じ病院で生れた。誕生と同時に両親を亡くしたローズは、貧乏に耐え意地悪な祖母に仕え苦学して弁護士になり、レイチェルは、家族の愛情に包まれて贅沢に育てられ医者になった。情熱的な二人の出生の秘密を握るシルヴィの苦悩。愛の時が流れ、ローズの恋人ブリアンと男に裏切られたレイチェルは、ベトナムの戦地で運命の出会いをした…。
恋人ブリアンからの手紙はローズに届かず消息が絶たれた。九死に一生を得たブリアンとレイチェルは地獄のベトナムから奇跡的に脱出し強い愛の絆で結ばれた。作家となり成功した彼の幸福な結婚に絶望したローズが、過去の卑劣な男の報復で訴えられたレイチェルを弁護するという運命の皮肉。そして出生の秘密を明かすシルヴィ。二人の現代女性の真実の愛と友情を見事に描いた長編。
桃花薫る五月。カリフォルニアの小都市パラディソは、桃花祭コンテストで選ばれるクイーン(別名プリティ・ペギー・スー)の話題でもちきりだった。しかし、発表に前日、プリティ・ペギー・スーは、高校のロッカーで死体となって発見された。候補者は四人。美のレイシー、知のレイヴン、好感度のキキ、才能のエイプリル。いずれ劣らぬ美少女たちだが、はたして死の冠をいただくのは誰か?瑞々しい筆致で描かれる少女たちのささやき、少年たちの息遣い、大人たちの憂鬱。そして…殺意。犯人探しと共に“被害者当て”の興味もそそる本格派スリラー。
〈プリティ・ペギー・スー〉は殺された。愛しいひとの待つポンデロサの木の下で。殺人現場で発見されたスパナには、被害者の毛根が付着していた。スパナの持ち主が逮捕され、フェスティバルのクイーンは新たに選ばれることになる。しかし、事件は終わったわけではなかった…。どの人間にも、疑いの目を向ければ、動機があった。優しい仮面の下には憎しみが。穏やかな微笑みの裏には狂気が。幸せな生活の陰には地獄の苦しみが…。残忍な殺人事件をきっかけに、一見、平和でのどかな田舎町の陰が暴かれていく。