著者 : アニ-タ・ブルックナ-
秋のホテル秋のホテル
夏が過ぎた、季節はずれのジュネーブ湖畔のホテル。大衆小説で有名な作家イーディス・ホウプは、独りそのホテルを訪れた。裕福だがもう若くない彼女は、男性社会の典型的な優等生であったがために、愛のない結婚をしようとし、それから逃れてここへ来たのだった。本当の愛のかたちを探し求めようとする孤独な女性の姿を、透明で硬質な筆致でみごとに描き「ブッカー賞」に輝いた話題作。翻訳家による解説、注釈つき。
異国の秋異国の秋
父母が逃れえなかったナチの手を逃れて、イギリスに渡った二人の少年。堅い絆で結ばれた彼らは、異国での辛苦を乗りこえ、共同事業の成功と、似合いの伴侶、美しい子どもたちに恵まれる。だが、人生の秋を迎えてもなお、一切と別れねばならなかった過去が、身を切るような孤独となって二人を苛む。ひとは、過去からは逃れられないのか-。刊行されるや、たちまち最高傑作と絶賛を博した、ブルックナーの新境地を示す作品。
結婚式の写真結婚式の写真
物語はある一族の一枚の写真から始まる。中央には、ドーン家の頂点をなす女ソフカ。そして彼女をとりまく4人の息子と娘たち。放蕩を尽くした夫はすでに亡い。ソフカは、このブルジョワ家庭を律する厳しい意志の女として生きてきた。だが、そのからだの奥底には、もう一人の別の女がひそんでいる-。倦怠。反目。情熱。孤独。…ドーン一族の男と女が、それぞれにたどる人生。4枚の結婚式の写真が、抗いがたい血の宿命を絵解きしていく。
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