著者 : アントニオ・タブッキ
島とクジラと女をめぐる断片島とクジラと女をめぐる断片
居酒屋の歌い手が、ある美しい女性の記憶を語る短編「ピム港の女」のほか、難破をめぐる物語、滅びゆくクジラと捕鯨手たちの歴史的考察、ユーモラスなスケッチなど、夢とうつつの間を漂う“島々”の物語。
とるにたらないちいさないきちがいとるにたらないちいさないきちがい
学生時代に一人の女を愛した男たち、世界に対峙する魔法を願う少女、シュレミールを自称するインド通のユダヤ人、撮影カメラの前で真実を見出す俳優たち…。映画に着想を得つつ描かれためくるめく物語。名手タブッキ『インド夜想曲』につづく11の短篇集。
イザベルにイザベルに
ポルトガル・サラザール独裁政権下で姿を消した、謎の女イザベル。『インド夜想曲』『遠い水平線』の著者が遺した最後のミステリ 姿を消したひとりの女性の軌跡を辿りながら、語り部の現実と幻想の糸で織りなされる彩り豊かな曼荼羅の中を、私たちは旅をする。--ヤマザキマリ(漫画家)
いつも手遅れいつも手遅れ
無に向かって広がる声の万華鏡。 読めば読むほどふかみにはまる。 タブッキに惚れたってことよ。--小池昌代(詩人) こうして小説になったこれらの手紙の性質はどんなものか話せと言われたら、恋文だと規定してみせるかもしれない。それは相当広い意味において、つまり広大な愛の領域と同じくらい広くて、怨恨、憤慨、郷愁、後悔といった、愛の領域とは無縁に見える未知の領域にまで広がっている。--A・T「あとがき」より
時は老いをいそぐ時は老いをいそぐ
東欧の元諜報部員、国連平和維持軍の被曝した兵士、ハンガリー動乱で対峙した二人の将軍、古びた建物を駆け抜ける不思議な風の歌…。ベルリンの壁崩壊以後、黄昏ゆくヨーロッパをさすらう記憶の物語。
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