小説むすび | 著者 : アン・フレイザー

著者 : アン・フレイザー

シンデレラは孤独な夜にシンデレラは孤独な夜に

彼との日々は夢のように、 海の色に溶けていった。 「ぼくはアレクサンダー・ディミトリウ。 きみがバルコニーから見ているのには気づいていたよ」 キャサリンは慌てて否定しながら、頬が火照るのを感じていた。 彼は幼い娘が邪魔をしたお詫びにと、キャサリンを食事に誘った。 亡き母の故郷にほど近いギリシアの村で独り静養しているけれど、 わたしがここにいるのは既婚者とデートするためではないわ! しかし、彼が妻を亡くしていると知り、互いに医師であることから ともに感染症の対応にあたるうち、二人の距離は急速に近づいた。 つかのまの恋でいい。私は幸せになれない人間だから……。 そう自分に言い聞かせ、亡き妻を愛する彼にキャサリンは全てを捧げた。 人目を忍んで、めくるめく情熱に身をまかせる二人。やがてアレクサンダーの娘や祖母も含めた家族ぐるみの付き合いが始まり、愛のぬくもりを知るキャサリンでしたが、アレクサンダーの亡き妻の幻影に悩み続けます。そしてついに、せつない片恋は砕け散って……。

幼い奇跡を抱きしめて幼い奇跡を抱きしめて

命よりも大切な、おなかの赤ちゃん。 父親の愛は得られないかもしれないけれど。 助産師である私自身が、子供は持てない運命だったなんて……。 妊娠は難しいと知った婚約者は、無情にもアニーのもとを去った。 独りスペインのアンダルシアへの傷心旅行に出たアニーだったが、 旅の終わりに立ち寄った教会で、運命は大きく変わる。 急に産気づいた女性を救って、産科医ラファエルと出会ったのだ。 彼とはなぜか最初から心が通い合い、アニーは生涯の思い出にと、 彼と一夜だけの愛を交わしたーーまさか身ごもるとは思わずに! ところがそれを告げると、ラファエルは冷たくこう言い放った。 「本当に僕の子か? イギリスとスペインで弁護士をさがす」 そしてアニーを探るつもりか、彼女が働く病院へ転職してきたのだ。 著者のアン・フレイザーは看護師でもあり、医師である夫とともに、アフリカやオーストラリア、カナダなどを仕事で訪れてきた経歴の持ち主です。命の奇跡と愛の奇跡ーーたくさんの喜び、悲しみ、そして感動が詰まった、秀逸なロマンスをどうぞお楽しみください。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP