著者 : ア-サ-・ライアンズ
自分の主催するロック・コンサートを妨害する者の正体を突き止めてほしい-大物プロモーターのシーガルに招かれて、彼の自宅で開かれていたパーティに出かけていった私立探偵ジェイコブ・アッシュは、その場で依頼を受けた。だが、事件はその直後に起きた。パーティで振る舞われていたコカインを吸った落ち目のロック・スターのクーニイが急死したのだ。コカインは何者かによってヘロインとすり替えられていた。これもシーガルに対する嫌がらせのひとつなのか?それとも、はじめから、奇行で知られ、業界内に多くの敵を作っていたクーニイを狙った計画殺人だったのか?アッシュはクーニイの身辺をあらいはじめるが、なぜか彼と関係のあった人間はつぎつぎと謎めいた事故死を遂げていった…!ドラッグに彩られた頽廃のロック・シーンを舞台に、アメリカン・ドリームの光と影を描いた著者の自信作。
8年前に捨てた妻子に会いたい-気鋭の画家ゲリーの頼みで、私立探偵アッシュは2人の行方探しを始めた。だが、依頼人の妻レイニーは再婚、息子ブライアンは、悲惨なことに、母の運転する車に乗って事故に遇い、幼い命を散らしていた。報告を聞いて激昂するゲリーに、アッシュは一抹の不安を覚えたが…。過去を秘めた謎の魅力とハードボイルドの詩情を堪能させる著者会心の作!
著名な映画監督が自分の夫だと証明してほしい-奇妙な依頼を私立探偵ジェイコブ・アッシュに持ち込んだロリーの話では、彼女の夫ウィリアムは13年前、忽然と姿を消していた。だが、彼女は最近、夫が映画監督ケアンズとして紹介されているのを目にし、本人に直接否定されたものの、夫だと確信したという。アッシュは、映画撮影中のケアンズに接近して巧みに指紋を採り、彼がウィリアムスと同一人物であることを突き止めた。ところが、その直後、ケアンズの変死体が彼の自宅で発見された。他殺の疑いは濃厚だった。気まぐれな独裁者のような監督は、脚本家をはじめ、映画に関わっていた者の多くに恨まれていたことが判明するが…。二つの人生を生きた男の死を探るアッシュが、歳月の彼方に見出した事件の意外な真相とは?ウェストコースト派ハードボイルドの寵児が自らの体験をもとに映画界の殺人を描く話題作。