著者 : イヴォンヌ・リンゼイ
胸に突き刺さる、愛する夫の言葉……。 「この家から出ていけ。ぼくの人生からも」 結婚相談所に入会したペイトンは、大企業CEOギャレンの花嫁に選ばれた。 彼は親友夫婦の忘れ形見の少女を守り育てるために妻を探していたのだ。 だが実は、ペイトンの望みは結婚ではなく、彼の祖母アリスに近づくこと。 彼女の父はかつてアリスに不当解雇され、一家は路頭に迷った末、 病の母は治療を受けられず息を引き取ったのだった……。 ところが、いざ夫となったギャレンは世界中の誰よりもハンサムで、 親を失った少女を思いやる魅力的な男性と知り、ペイトンは胸が痛んだ。 婚前契約により最低3カ月は結婚を続けなくてはならないけれど、 彼らのためにも、なるべく早く離婚を切り出すべきね。 このとき彼女はまだ知らなかったーーわが心に芽生えつつある愛の重さを。 結婚当日まで相手と顔を合わせないマッチングサービスで夫婦となる男女を描く本作。失った家族への思いと、夫への想定外の恋心という相容れない感情に懊悩するヒロインに、胸が切なくなります。『花嫁の孤独な寝室』『摩天楼の哀しき花嫁』の関連作です。
あれほど酷く傷つけられたのに 胸が高鳴るのは、なぜ? 7年前に離婚したジェニーは、今度こそ幸せな家庭を築きたいと決意し、 結婚当日まで相手と顔を合わせないマッチングサービスを利用する。 そして臨んだ結婚式。ジェニーは呆然としたーー 祭壇の前で待っていた新郎は……まさか、元夫のヴァレンティン? 大富豪の彼はあいかわらずハンサムで魅惑的だ。 同様に驚きながらも、またやり直せるかもしれないと言う彼に従い、 ジェニーは複雑な気持ちのまま、贅沢なハネムーンへと出発した。 ゆっくりと流れる、親密な時間。二人は惹かれ合う思いに抗えず、 再び激しく情熱を交わす。だが、未来に希望を見いだしたのもつかの間、 かつて離婚の原因となったのと同じ女性の影が……。 関連作『花嫁の孤独な寝室』にも登場したヴァレンティンが本作のヒーローを務めます。再び妻となったジェニーは、前回の離婚原因である女性がまだ彼と一緒に働いていることに気づいてしまいます。7年前に経験した、胸が潰れそうになる感覚が再び押し寄せ……。
両親に捨てられたヤスミンは、祖父に引き取られ、育ててもらった。その恩もあり、亡き祖父から受け継いだ小さな会社を経営難から救おうと、彼女はやむをえず見合い結婚に踏み切ることにした。大事な会社を守るためなら、どんなことにも耐えるつもりで。しかし結婚式当日、初対面の花婿を見て、ヤスミンは呆然とした。あれは…同業の大手企業を経営する大富豪、イリヤ・ホルヴァート!祖父が快く思っていなかった、いわば敵対する一族の人間だ。いざ式が始まると、イリヤは誓いのキス一つでヤスミンを陶酔させ、そんな自分に戸惑っている彼女を見て、面白がる様子を見せた。だがその夜、彼は妻を独り寝室に残し、翌日はキスすらしなくなり…。
貧しい家に生まれ、親に楽をさせたいと老富豪に嫁ぐ道を選んだヘレナ。しかし結婚式前夜、不運にも車の事故で川に転落してしまい、死を覚悟した瞬間、通りかかったたくましい男性に助け出された。明日には、私は愛の自由を失う身。だからせめて、今夜だけは…。彼女は名も知らぬ命の恩人の魅力に導かれるまま情熱を分かち合った。12年後、仕事で窮地に陥ったヘレナは、同業の大物社長となったあの忘れえぬ一夜限りの恋人、メイソンのもとを訪ねて救いを求めた。彼こそが息子の父親だという、重大な秘密もろとも打ち明けて。すると、メイソンは軽蔑の念もあらわに彼女を睨みつけた。「きみはいままで、何人の男とベッドをともにしてきた?」
億万長者には、結婚も子供もビジネス。 彼はただ、わたしを征服したかっただけ。 カークと出会った夜、サリーは落ち込んでいた。 デートもせず仕事をしても、会社の会長である父の役には立てなかった。 父がわたしにはなにも言わず、合併を決めたのがそのいい証拠だ。 だからハンサムなカークに誘われるまま、一夜をともにしたのだろうか? しかし翌朝、サリーは仰天する。そのカークが父の会社に現れて、 「今後はぼくが経営の指揮をとる」と言い放ったからだ。 合併先の会長の娘と知っていて、カークはわたしに近づいたの? その目的はなに? 社内で、より有利な立場を手に入れたかったとか? サリーは彼を忘れようと必死に働くが、数週間後、会社で倒れてしまう。 しかもカークの目の前で、医師から妊娠を告げられて……。 母を亡くして以来、スピーチ恐怖症に苦しみながらも父の会社で努力してきたヒロイン。仕事一筋の彼女が恋を知り、ヒーローへの報われない思いに身を焦がす姿は胸に迫ります。実力派作家Y・リンゼイが得意とする波瀾万丈の物語を、どうぞお楽しみください!
情熱の一夜のあとで去っていった彼。 この子の存在を知ったらなんて言うかしら? 亡姉の子を代理出産したケイラは、赤ん坊の父親、ドノバンを訪ねたーー 姉の葬儀の日の夜、たった一度だけ情熱を分かち合った魅惑の大富豪を。 生まれた子にきょうだいを作ってやりたいという姉の望みを叶えるには、 彼にもう一つの受精卵を使用する許可を得なくてはならなかった。 「この子はあなたの娘よ」 だが自分にそっくりな目を持つ赤ん坊を見ても、ドノバンは冷淡だった。 「受精卵は破棄する約束だった。それに、ぼくには婚約者がいる」 頼みをはねつけられ、肩を落として帰宅したケイラを悲劇が待ち受けていた。 あろうことか、住み込みのナニーに貯金を全額盗まれてしまったのだ。 困り果てたケイラが、もう一度ドノバンを訪ねると……。 我が子を見ても眉一つ動かさなかった、億万長者との悲しい再会。かつて一度だけ関係をもったヒロインに彼がつらくあたるのには、ある特別な理由がありましたが……。波瀾万丈なストーリー展開とセクシーな作風で人気のイヴォンヌ・リンゼイの力作です。
この結婚に愛が期待できないことは、 最初からわかっていたはずなのに……。 ミラは17歳のとき、政略結婚の相手ティエリと対面し、心奪われた。 教養に満ち、目もくらむほどセクシーで、自信にあふれた人! ところが、ティエリの顔に浮かんでいたのは明らかな失望の色。 ミラは太って冴えない容姿だったのだ。彼にふさわしい妻になりたくて、 ひそかにミラはアメリカへ渡った。婚礼の日までに美しくなろうと。 7年後、輝くような美女に変身したミラは、帰国前に偶然ティエリと再会する。 そして婚約者とは気づかぬ彼に偽名を名乗り、甘いひとときを過ごした。 だが、結婚の日を心待ちにするミラの耳に届いたのは、 彼が独身最後のこのときに高級娼婦を買うという噂。 ミラは矢も楯もたまらず、自分が替え玉になろうと思い立ち……。 自分の雇った高級娼婦が、異国で心惹かれた美しい女性と知って驚愕するヒーロー。実はどちらも自分が婚約中の、かつて冴えなかったフィアンセの偽りの姿とは夢にも思わず……。ヒーローを翻弄するヒロインから目が離せない、イヴォンヌ・リンゼイの力作です。
ある朝、オリヴィアは突然の知らせに驚き、息をのんだ。別居中の大富豪の夫ザンダーが、事故にあって記憶を失ったというのだ!駆けつけたオリヴィアに、彼は以前と変わらぬ魅惑的な笑顔を向けた。かけがえのない息子の死と、その後のふたりの別居のことを忘れて……。かつての、海辺の邸宅での愛情あふれる生活が、また始まった。罪悪感が胸を刺すけれど、ザンダーとの甘い日々は彼女を酔わせる。このまま、彼が記憶を取りもどさなければーーそう思った矢先、ザンダーは偶然にも過去を知り、家を出ていってしまう。なすすべもなく打ちひしがれるオリ
父を知らず、母にも愛されずに成長したエリンは赤ん坊のライリーを心の支えに、夫が遺したロッジを営んでいる。しかし、そんなささやかな幸せを一通の手紙が打ち砕く。それはライリーのDNA検査を依頼する内容だった。体外受精をしたクリニックで重大な過誤があったというのだ。まさか…息子の父親が、赤の他人だなんて!もしも親権を奪われたりしたら…。言い知れぬ不安を胸に、エリンは夫の喪が明けて最初の客を出迎える。憂いをおびた瞳のハンサムなその宿泊客、サムこそが息子の実の父親で、ライリーを奪い取ろうとしているとは、夢にも思わず。衝撃の真実を知った男女が直面する苦悩と愛の芽生え。