著者 : ウィリアム・シュ-ア-ド・バ-ロ-ズ
バロウズの遺作長編。本書は、断片的に書かれてきたものを、とりまきたちが集めて編集したものである。これまで、ノスタルジックな形以外ではあまり触れられなかった家族との関係(特に老いてからの父母や兄との関係)、先立たれた息子に対する感情が、かなりストレートに出ているし、昔の恋人たちに関する記述も無防備なまでにはっきりしている。その意味で、本書はバロウズの諸作の中でもっとも内省的かつ自伝的要素の強いものとなっている。
境界線上のことば、溶解する意識-。30年代NY伝説のギャング、ダッチ・シュルツことアーサー・フレゲンハイマーの最期のことばを元に書き下ろしたバロウズの「映画シナリオ形式の小説」。
「俺は永遠に生き続けるんだ…」強迫観念的に〈永遠の生命〉を希求する男、ハートは、幻の「マヤの書」から死と恐怖の秘密を探り出し、巧妙な情報操作によって全生命の支配と管理を企むが…。古代マヤから現代へ、時空を遥かに超える場面転換、極彩食の幻覚が織りなす万華鏡世界-。バロウズ特有の技法を駆使しながら黙示録的結末へと展開する表題作ほか、ロバート・F・ゲイルのユニークなイラストを含む「言霊の書」、カットアップをはじめとするバロウズ理論の解説書「電子革命」の2編を併録。
略奪国家アメリカへの反逆精神、銃撃戦、突然変異体との闘いなど、バロウズ世界のエッセンスに満ち満ちた短篇集。’89年作品。待ちに待たれたバロウズの最新作品集。ファンタスティック小説シリーズ第2弾。
永遠の生命を求めて作家W・S・ホールらは古代エジプト神話的西方浄土へと旅する。彼らは神の操る根本倫理を超越し、迷宮宇宙をくぐりぬけなければならない。バロウズ74歳(’87年)の圧倒的傑作最新長篇。
バロウズの新たな魅力を爆発させた’80年代3部作から新登場。本邦初公開。アメリカ西部のガンファイター、キム・カーソンズによる時空を超えた権力の悪との闘いと殺しの美学。「銃による決闘は禅の道のような魂と魂の闘いである」と語るバロウズのライフワークともいえるウエスタン小説。