著者 : ウィリアム・フォルツ
ヴィシュナ第六の災い“ヴィシュナ熱”に罹患したテラの人類は、その後“技術狂”と呼ばれる譫妄状態になり、目的不明の奇妙なマシンを数えきれないほど建造していた。これらのマシンは、やがて地球上の全エネルギーを吸引したのち、謎の六次元性インパルスを放射しはじめる。レジナルド・ブルは調査に乗りだすが、そのとき宇宙空間から、輝くちいさな泡が数十億個も湧きだすようにあらわれてテラ地表へと向かってきた!
マークスの原理主義者グレク336は、オーストラリアの海岸町メルヴィルから逃走したのち、ふたたびチベットの町シシャ・ロルヴィクにやってきていた。プシ・トラストのメンバーたちがいる司令本部“思考タンク”を攻撃し、時間ダムを破壊するつもりらしい。テラ政府および宇宙ハンザの上層部は、宇宙駅ルックアウト・ステーションから新世代マークス12名を連れてきて、グレク336を説得してもらおうと作戦を練るが!?
アルマダ工廠とは、無限アルマダにおける共通技術を製造する施設であり、アルマダ工兵の作業場にほかならない。そのアルマダ工廠まで、複数の惑星をめぐって採鉱した資源を運搬するのが“アルマダ筏”と呼ばれる飛行物体だ。アルマダ筏の飛行ルートをたどればアルマダ工廠に行きついて、さまざまな謎が解けるのではないか。そう考えたペリー・ローダンは、ジェン・サリクひきいる軽巡洋艦“セダー”を偵察に出したが…
ダルゲーテンのサグス=レトとケルマ=ジョは、その物質暗示者としての能力を利用しようとたくらむセト=アポフィスに支配され、工作員にされてしまった。エビ形アンドロイドにはいりこみ、テラナーを相手にさまざまな妨害工作を働いたのち、球状星団M-3の惑星インパルス2にふたたびもどってくる。生命の宿る巨木を撃って倒せとセト=アポフィスに命令されたためだったが、二名はその命令に疑問を感じはじめていた!
ワリク・カウクの調査報告によれば、黒い宇宙船であらわれた異人は、ノルウェーのナムソスに謎めいた基地を建設していた。地球侵略にひとしい行為を許すわけにはいかないと、アラスカ・シェーデレーアたちも、研究者ドウク・ラングルの調査船でナムソスに向かう。異人の目的はなにか。人類失踪との関連は?テラ・パトロールのメンバーが一丸となって解明しようとした矢先、ラングルの命を狙うべつの存在があらわれた。
一週間以内に解毒剤を打たないと確実に死亡する毒物を、狂気の生物学者シャマノヴォに注射された三人の男たちは、ホヴァークラフトに乗り、パラトカ制御ステーションをめざしていた。地球でわずかに生き残った三人、カウクとティングマーとブラフは、パラトカに到着したら、解毒剤をあたえるというシャマノヴォの約束を信じるしかなかったのだ。三人の唯一の希望は、危機にさいして逃げだしたK=2ロボットだけだった。
ヨルショル霧状星雲での悲劇のあと、ローダンとアトランの対立はますます深刻化していた。NEIの180隻の艦隊に“ソル”は包囲され、“ソル”生まれの乗員たちは“故郷”の危機に不安をつのらせる。そのなかのひとり、ラレエナには、猫のような外見と敏捷性を持つ息子のブジョがいた。“ソル”生まれの代表を自任するサイバネティカーのヘルムートは“猫男”ブジョの力を借り、事態を打開する糸口を探そうとするが…。
アラスカ・シェーデレーアは時間の井戸を通過して、地球にもどってきた。しかし、惑星デログヴァニエンで見たおぞましい幻影のとおり、到着した町には人っ子ひとり見あたらない。テラになにが起き、人類はいったいどこへ行ったのか?マスクの男は真相を探るべく探索を開始する。そのころ、テルムの女帝の命令でさまざまな星系を調査している“研究者”ドウク・ラングルは、虚無から忽然と星系が出現するのを目撃した。
グッキーは、惑星ケルノトの警戒厳重な要塞カルミノンス=クロルから闇のスペシャリスト12名とともに逃げだしたものの、惑星からの脱出には失敗してしまった。闇のスペシャリストの脱走を知ったゼロ守護者は、惑星ケルノトを攻撃するための艦隊派遣を決めた。一方、ローダンは、グッキーたちを救出するべく、マルティミュータントのダライモク・ロルヴィクと副官タッチャー・ア・ハイヌたちをケルノトに送りこんだが…。
ラール人はアトランとの現状維持政策を破棄し、人類のかくれ場NEIを潰滅させようとしていた。かくれ場をつきとめるため、補給惑星エンジョックに潜入したNEI工作員を捜索すると同時に、ローダンのドッペルゲンガーを使った陰謀を企んだのだ。一方、ラス・ツバイは、ローダン帰還の情報を得て、その真偽を確かめようとしていた。だが、ツバイは、細胞活性装置があるにもかかわらず、重い体調不良におちいっていた。
大群にそって飛行をつづける“グッド・ホープ2”はあらたな構造震動にみまわれた。大群がまたしても未知飛行物体“ユニット”を送り出したのだ。ローダンは飛行物体の目標星系を構造アルファと名づけ、偵察コマンドの派遣を決めた。さっそく志願したウルトラ周波エンジニアのダライモク・ロルヴィク大尉やパープル人への復讐を誓うサンダル・トークなど4名のコマンドが惑星テストケース・ロルヴィクに降りたったが…。
痴呆化し、盗賊と化した人類が掠奪と破壊をつくし、荒廃したテラニア。アーロンは免疫者だったがゆえに、痴呆者からなる盗賊団の頭目となった。だがかれは心に直接呼びかける声に操られており、その声の命ずるまま破壊をくりひろげ、人類最後の砦である地下ブンカーの都市群へと忍び寄る。一方、デイトンに呼び寄せられた銀河通訳、セルカノ・ステーマーは盗賊団の黒幕の発見と排除という捨て身の任務を命じられるが。
銀河系中枢部に貯蔵庫9万体が出現した。タケル侵攻軍を指揮するヴァスカロが最終ブロック回路を使って呼びよせたのだ。この大部隊が太陽系に到達すれば、テラが蹂躙されるのは明らか。太陽系帝国首脳は銀河諸種族に大団結を呼びかけることにする。さっそくエドモンド・ポントナクがガルブレイス・デイトンの命をうけ、三大星間帝国ー銀河連合ノルモン、中央銀河ユニオン、カルスアル同盟を説得するべく出発したが…。
惑星エリスガンの軍事司令官テトマン・タリノを味方に引き入れ、ペルダシスト=ファルログ=テラナー連合はペドパイロットの野望を頓挫させた。しかしオヴァロンが真のガンヨの座につくには“原母”に帰還を認証されることが不可欠。かくして、オヴァロンは原母の司令ステーションを擁する惑星アリバヌムへ急行する。一方、混乱のなかで本来の人格をとりもどしたにせガンヨは、ペドパイロットへの復讐を決意していた…。
謎の怪物フローリーモンスに導かれ、転送機に飛びこんだローダンたちは、いよいよガンヨの帰還を待ち望むガンヤス人世界へと到達した。だが、一行を迎えたのは武装した11人の老人たちだった!かれら、ガンヨ再臨を望んでいるはずのガンヤス指導者は、おのれの権力を護るため、こともあろうにガンヨを亡きものにせんと黒い陰謀をめぐらしていたのだった。期せずして故郷の招かれざる客となったオヴァロンの運命は…。
旧独裁者の死をうけ新タシュカルとなった、秘密警察長官ギンコラシュの恐怖政治がタラケで始まった。不穏分子静粛を進めるギンコラシュは、独裁権力確立の鍵を握る巨大ステーション“貯蔵庫”とタシュカル護衛にあたる“家臣”団の存在を知る。両者わがものにすべく、彼は自ら貯蔵庫に赴くが、そこにはローダンたちが閉じこめられていた。そして混乱の中明かされる貯蔵庫の驚くべき正体とは。
『マルコ・ポーロ』で頻発した怪事は、惑星ファースト・ラヴの謎の“老人”が仕掛けた“資格テスト”だった。その老人はどうやら失われたガンヤス族に深く関わる者らしい。惑星に着陸したオヴァロンとローダンに、“老人”は最終テストを課すと言う。いよいよ過去の秘密が明かされるのかーテラナーらは固唾をのんで経過を見守るが、一方そのころ、タケル人の本拠惑星タケラから1万隻の大艦隊が密かに出撃していた…。
幽閉されていたモリタトールの智者シェコヌが救出された。かれの言によれば、タケル艦隊5000隻が封鎖するレイケオ星系の一惑星がタケル人の侵攻計画の要であるらしい。だが厳重に封鎖されたその惑星への侵入は、スペース=ジェットをもってしても不可能だ…かくして、ハール・デフィン率いるサンダーボルト・チームに白羽の矢が立った。だが首尾よく侵入を果たしたかれらが耳にしたのはなんと、ガンヨ再臨の噂だった。