著者 : エドワード・ケアリー
人の顔はもちろん、鳥や獣や架空の生き物、 物語の登場人物まで分け隔てなく並ぶ、 これぞケアリーの小説世界。(訳者あとがきより) タイトルの『B』は愛用のトンボ鉛筆のBに由来している…… 疫病が広がった一年のあいだ、著者は毎日スケッチ画を1枚SNSに投稿した。 36篇のエッセイを収録、ケアリーの魅力がぎっしり詰まった1冊 コロナのパンデミックで隔離生活を強いられた一年余り。画家にして作家エドワード・ケアリーは毎日一枚の絵を描き、ツイッターに投稿していった。偉大な作家や芸術家、歴史上の人物、小説の登場人物、さらに人間だけではなく、動物や鳥、植物や建物、風景に至るまで描きに描いた500もの絵と、それにまつわる36のエッセイを本書に収録。ケアリーらしさ満載のイラスト集としても、時代を切り取るエッセイ集としても楽しめる一冊。
ピノッキオを探して巨大な魚に呑み込まれたジュゼッペは、 そこで見つけた帆船の航海日誌に自分の人生を綴る 暗闇の中、孤独な老人はなにを思うのか・・・・・・ 鬼才ケアリーが描く、もうひとつのピノッキオの物語! 著者によるイラスト多数収録! 巨きな魚の腹の中。乗っていた舟ごと呑み込まれたジュゼッペは、そこにあった朽ちかけた船で発見した航海日誌に、自分の来し方を綴っていく。彼が造った、木彫りの人形ピノッキオに命が宿ったこと。学校に行って戻ってこなかったその子の行方を捜し、小さな舟で海に乗り出したこと。そして彼の手記はさらに遡り……。絶望的な状況下、ジュゼッペ老人は何を思い、何を綴ったのか。鬼才ケアリーが描く、もう一つのピノッキオの物語。
『堆塵館』でごみから財を築いた奇怪な一族の物語を語り、『おちび』でフランス革命の時代をたくましく生きた少女の数奇な生涯を描いた鬼才エドワード・ケアリー。その彼が本国で発表し、単行本未収録の8編(『おちび』のスピンオフ的作品含む)+『もっと厭な物語』(文春文庫)収録の1篇に書き下ろしの6篇を加えた、日本オリジナル短篇集。書き下ろしイラストも多数収録。ケアリーらしさがぎゅっと詰まった、ファン垂涎の一冊。
マリーは、お世辞にも可愛いとはいえない小さな女の子。父の死後、母と共に人体のパーツを蝋で作る医師のところに住み込むが、そのあまりのリアルさに敬虔なクリスチャンである母は耐えられずに自殺、残されたマリーが、医師の手伝いをすることに。やがてマリーは医師に伴われてパリに行き、ルイ16世の妹に仕える。だがパリには革命の嵐が。〈アイアマンガー3部作〉の著者が激動の時代を生きたマリーの生涯を描く、驚天動地の物語。
穢れの町は炎に包まれ、堆塵館は崩壊した。生き延びたアイアマンガー一族は館の地下から汽車に乗り、命からがらロンドンに逃れた。だが、その頃ロンドンでは奇怪な現象が頻発していた。住人が、いきなり跡形もなく消え失せてしまうのだ。人々に何が起きているのか? アイアマンガー一族に反発するクロッド。そしてひとり難を逃れたルーシー。物語はいかなる想像も凌駕する驚天動地の結末を迎える。アイアマンガー三部作堂々完結。
月桂樹の館で暮らす男の子ジェームズ。ある日館を逃げ出したジェームズは、フィルチングの町で、決して使うなと言われていた金貨でパンを買ってしまう。それがとんでもない事態を招くとも知らず……。物の声を聞く能力をもつクロッド・アイアマンガーと、勇敢な召使いのルーシー。世にも奇妙で怖ろしい運命に見舞われた二人の未来に待つのは? 堆塵館に何が起きているのか。著者本人によるイラスト満載。『堆塵館』で読書界に衝撃を与えた三部作第二部。 解説=深緑野分