著者 : エリザベス・ロールズ
銀の匙をくわえて生まれたのに、 私は社交界からこぼれ落ちた……。 親の反対を押し切って駆け落ち同然に結婚したエマは、 社交界に身を置けなくなり、実家の援助も受けられずに暮らしてきた。 4年前に夫を亡くし、今、エマの生活は困窮を極めていた。 子供を学校にやるのはおろか、新しい靴を買ってやることさえできない。 そんなある日、エマはダンディな侯爵ハントと出逢い、 高潔で知的で優しい彼にまたたく間に惹かれていった。 やがて、跡継ぎが必要な彼から結婚を提案され、エマは胸を高鳴らせた。 ところが、折しも母からハントの“最新の愛人”と揶揄されたうえ、 自分の父親が誰なのか本当は不明だと知ったエマは、ハントに告げた。 「私、あなたと結婚はできません」彼の名を汚すわけにいかないから……。 Amazonの読者レビューで高い評価を受ける本作は、社交界からこぼれ落ちて社会の片隅に生きるヒロインの物語。ダンディな年上侯爵ヒーローは、彼女の灰色の地味な服を見て、社交界に出入りしていないと悟りつつも、自分の求める妻にふさわしいと確信し……。
結婚後に明かされた真実ーー 伯爵の花嫁は、別人だった! 社交界が注目する今年一番の花婿候補、第7代ダーレストン伯爵ピーター。 上背があり、このうえなく優雅でハンサムな彼は全女性の憧れの的で、 ペニーもまた、密かに彼の魅力の虜になっていたけれど、 まさか自分が、借金のかたに彼の花嫁になるとは思わなかった。 本当は双子の妹が嫁ぐはずだったが、妹には愛する人がいたため、 ペニーが身代わりとなったのだーー目がほぼ見えないという事実を隠して。 つつがなく婚姻が整ったあとで、彼女が本来の花嫁ではないこと、 そして目が不自由なことを告げると、伯爵は怒りに任せて言い放った! 「ぺてん師と結婚したわけか。ぼくが目の不自由な跡継ぎを望むとでも?」 部屋に独り取り残されたペニーは、よよと泣き伏すほかなかった……。 怒りのあまり酷い言葉を放ったピーターでしたが、やがて言動を猛省し、ペニーとの結婚を受け入れます。後継者であるどうしようもないいとこに爵位を譲りたくない彼は、跡継ぎをもうけるための愛なき結婚のつもりでしたが……。『道ばたのシンデレラ』の関連作。
花嫁の条件を列挙する子爵に すべてを忘れさせた、純真な村娘。 危ない! 村娘のソフィーは馬車に轢かれそうな男の子をかばって、 馬とぶつかった勢いで溝に転げ落ち、泥まみれになってしまった。 どうにか立ち上がると、馬車から降りてきた男性を鋭くにらんだ。 社交界の寵児ヘルフォード子爵は、あわや轢きかけた村娘に駆け寄った。 娘はみすぼらしくかなり不格好な灰色のドレスを着ている。 ところがどうだ。美しい瞳、ほんのり赤く染まった頬が、至極魅力的だ! 愛や恋など決して信じないはずの子爵の心が、にわかにざわめいた。 だがそれは、彼と婚約間近の伯爵令嬢が子爵邸に到着する直前のこと……。 兄の死により爵位を継いだ子爵は、花嫁探しの真っ最中。この世に愛など存在しないと考える彼は、家柄がよく財産があり、貞淑な美人なら誰でもかまわないと、さる伯爵令嬢に的を絞っていました。それなのに花嫁の条件にまるで合わないソフィーに興味が湧き……。
なんの魅力もないと言われ続ける私を なぜ、愛人にと望むのですか……? 15歳で父を亡くしたヴェリティは、冷酷な叔父に引き取られた。 何不自由なかった暮らしがまるで嘘のように、使用人同然に扱われても、 無一文の身では、このつらい毎日に耐えるしかなかった。 そんなある日、屋敷を訪ねてきたハンサムな伯爵を見て、 ヴェリティは驚いたーー父の墓前で優しくしてくれたマックスが、なぜ? これまでずっと、記憶の中にある彼の面影を心の支えに生きてきたのだ。 なのに悲しいことに、彼はヴェリティだと気づいていない様子だ。 しかも、内心動揺するヴェリティに向かって、 マックスが思いもよらない提案を平然と持ちかけてきた! 「きみを愛人として迎えるつもりだ。ぼくの支援を受けるといい」 同居する叔父一家から冷遇されてきた天涯孤独のヒロインと、愛を避けなければならない宿命を背負った伯爵。そんなふたりの切ない背景を知れば知るほど、心を揺さぶられる感動作をお贈りします。編集担当が文句なしに太鼓判を押す名作中の名作をご堪能ください。
病の床についた貧しい娘が、 夢うつつの境に見た美しい男性は……。 親戚のけちな老伯爵に家政婦のようにこき使われてきたメグは、 老伯爵の死後、新しい後継者が到着する前に館を出るつもりだった。 だが悪いインフルエンザにかかり、診察料を払えないため医者も呼べず 瀕死の床についていたとき、夢のような救世主が現れた。 マークと名乗る美青年が医者を呼び、つきっきりで看病してくれたのだ。 朦朧とした意識のなか、メグはお金の心配をしつつも、 マークの腕に抱かれて不思議と安心感を覚えた。 献身的な看病の甲斐あってやがて体力を回復したメグは、 看病してくれた人物が誰かを使用人から聞き、目の前が真っ白になった! 「先日の夜に到着なさった、ラザフォード伯爵ですよ」 ロンドン社交界きっての伊達者で、独身主義を標榜して美女たちと戯れているーー老伯爵の後継者となる男性の前評判を聞き、そんな人とは友達にもなりたくないと思っていたメグでしたが、彼の魅力に抗えなくて……。19世紀、不遇の娘が出合った、予測不能な恋。
上流階級の生まれのルーシーは極貧生活を強いられている。母が亡くなる前から賭博に手を出した父があちこちで借金を作り、そのたびに夜逃げを繰り返してきたから。父が突然姿を消した今、路上でバイオリンを弾いて恵んでもらうお金だけが唯一の収入だ。ある日、ルーシーの住まいに背の高いハンサムな紳士が現れた。わたしをこんな生活から連れ出してくれる、夢の人……?だがルーシーの期待も空しく、その紳士ーーキャンボーン伯爵は険しい顔で彼女の父親を出せと言った。莫大な借金があるというのだ。父の居所にまったく心当たりがないとルーシーが