著者 : エーリヒ・ケストナー
飛ぶ教室飛ぶ教室
まもなくクリスマス。街全体が温かな雰囲気に包まれるなか、寄宿学校の少年たちは、波瀾万丈のクリスマス劇「飛ぶ教室」の稽古に励む。ある日、マルティンに母親から手紙が届く。そこには、マルティンがクリスマスに帰省する旅費を工面できなかったと書かれていた……。たとえ運が悪くても、元気を出せ。打たれ強くあれーー温かなメッセージが込められた、少年たちの成長の物語。
ファビアンファビアン
ワイマール共和国末期、頽廃的な空気に覆われたベルリンを舞台に、ファビアンというひとりの男の生活を通して時代と社会を痛烈に風刺しつつ、ひとつの真実を描いた本書は、1931年の初版刊行と同時に大きな反響を呼び起こした。深さよりは浅さを、鋭さよりは月並みを、曖昧さよりは明快さを大切にした、大胆なモラリストにして辛辣な風刺家ケストナー。その最高傑作とも評される長編小説を、初版から削除された章とあとがきとして考えられていた「ファビアンと道学者先生たち」「ファビアンと美学者先生たち」、さらに、戦後に書かれた二種類のまえがきを収めた初の完全版で贈る。
ファービアンファービアン
タバコ会社に勤める32歳のファービアンは、失業者が増加し争いごとの絶えない騒然とした世の中を憂い、悶々とした日々をおくっていた。そんな彼に突然の解雇辞令、親友の自殺、恋人の身売りと次々に不幸がおそいかかる。失意の心を抱いて故郷へ帰った彼はそこで…。詩情的なかおりとユーモア、鋭い皮肉、揶揄、エレガントな機知と絶望的なメランコリー。ケストナー独自の才能をすべて盛りこんだ、唯一の本格的な長編小説。
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