著者 : ガストン・ルルー
肉屋見習いのシェリ=ビビはある偶然から殺人を犯し、以来殺人が殺人を呼び、前代未聞の極悪人として流刑地カイエンヌへと向かう監獄船バイヤール号の途上にあった…囚人たちは待っていた、シェリ=ビビからの蜂起の合図を!支配下に置いたバイヤール号に遭難者が流れつく。そこにデュ・トゥシェ侯爵がいたーシェリ=ビビは侯爵の父殺害の濡れ衣を着せられ、その妻は初恋の相手セシリー!因縁の下劣漢にある復讐を考えつく…外科医ル・カナックによる言語を絶する方法で若き侯爵と入れ替わるのだ!大いなる秘密を宿しシェリ=ビビはセシリーと夫婦生活をはじめる?すべては“ファタリタス(運命)”に導かれ、フィナーレの大スペクタクルは圧巻!フランスのベル・エポックに人気を博した“最後の連載小説家”と称されるガストン・ルルー。『黄色い部屋の謎』と『オペラ座の怪人』で売れっ子作家となったルルーが、一九一三年満を持して“ル・マタン”紙に連載した本邦初紹介の人気怪人シリーズ“シェリ=ビビ”!
十九世紀末、パリ。華やかなオペラ座の舞台裏では奇怪な事件が続発していた。首吊り死体、シャンデリアの落下。そして、その闇に跳梁する人影…“オペラ座の怪人”と噂されるこの妖しい男は一体何者なのか?オペラ座の歌姫クリスティーヌに恋をしたために、ラウルは、この怪異に巻き込まれる。そしてその運命の夜、歌姫とラウルは、まるで導かれるように、恐ろしい事件に飲み込まれてゆく。オペラ座の地下で、闇を支配する怪人と対峙したラウルが目にした、想像を絶する光景とは?そして怪人と歌姫の真実とは?不朽の名作『オペラ座の怪人』の新訳決定版、ついに刊行。
老練の船長が体験した、あまりにもおぞましい晩餐会での出来事を語る「胸像たちの晩餐」、12人の求婚者から1人選んで結婚する毎に相手が死ぬという悲劇を繰り返す美女の物語「ノトランプ」、かつての惨劇の舞台であり、現在は観光名所となった《血の宿》に泊まった男女を見舞う絶体絶命の危機「恐怖の館」など、『オペラ座の怪人』で知られる文豪の手腕が発揮された恐怖綺譚集。