著者 : キム・チョヨプ
地球の果ての温室で地球の果ての温室で
ダストという毒物の蔓延により動植物が死に絶える大厄災から、ようやく復興を遂げて六十年。生態学者のアヨンは、謎の蔓草モスバナの異常繁殖を調査しているとき、その地で青い光が見えたという噂に心惹かれた。アヨンはモスバナの秘密を知る者を探すうち、この世界を復興させたとされる女性の一人ナオミにたどり着く。彼女はアヨンに、自らの過去を語りだすー。それは、食料をめぐり殺し合う時代を生き抜いた幼い姉妹アマラとナオミの物語、そして、今や歴史に埋もれる謎の女性ジスとレイチェルの物語だった…。
わたしたちが光の速さで進めないならわたしたちが光の速さで進めないなら
打ち棄てられたはずの宇宙ステーションで、その老人はなぜ家族の星への船を待ち続けているのか…(「わたしたちが光の速さで進めないなら」)。初出産を控え戸惑うジミンは、記憶を保管する図書館で、疎遠のまま亡くなった母の想いを確かめようとするが…(「館内紛失」)。行方不明になって数十年後、宇宙から帰ってきた祖母が語る、絵を描き続ける異星人とのかけがえのない日々…(「スペクトラム」)。今もっとも韓国の女性たちの共感を集める、新世代作家のデビュー作にしてベストセラー。生きるとは?愛するとは?優しく、どこか懐かしい、心の片隅に残り続けるSF短篇7作。
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