著者 : キム・ヘジン
巨大な物流倉庫の職場で出会った、自分本位で他人と関わろうとしないオビーと、同調することばかりを考える自分との違いに心乱される「オビー」、チキン配達で出会った自殺願望のある男とのやりとりを滑稽に描いたデビュー作「チキン・ラン」、彼女にふられ、あてもなく訪れた公園で老人に誘われ始めたなわとびで、別れた彼女との気持ちを少しずつ整理する「なわとび」、スランプを抱えて筆が進まない語り手と、英語教室で出会った異国の人ワワとの心の触れ合いが行き着く先を描いた「ドア・オブ・ワワ」など、今を生きる不安定な若者たちの仕事や社会との関わりを描いた9編を収録。
韓国文壇界、新進気鋭の若手作家による長編小説! 日経新聞に書評掲載など、 国内でも反響の大きかった 『娘について』の著者、キム・ヘジンが、 絶望の淵に立つ男女の愛を描き出す…本邦初訳! これがどん底だと思ってるでしょ。 違うよ。底なんてない。 底まで来たと思った瞬間、 さらに下へと転げ落ちるのーー (本文より) 路上生活者となった若い男、同じく路上で暮らしながら、 毎晩、際限なく酒をあおる病気持ちの女。 ホームレスがたむろする中央駅を舞台に、 二人の運命は交錯する。『娘について』 (亜紀書房刊)を著したキム・ヘジンによる、 どん底に堕とされた男女の哀切な愛を描き出す長編小説。 現在形の直線的な文章で断崖絶壁に追い詰めては 平地に連れ戻す、この文体の力は、永きにわたり 韓国文学の財産になるであろう。 ──「第5回中央長編文学賞受賞作」審査評 愛の本質を探究しつつも、限界に達した資本主義の 影と社会の問題を見逃さない若い作家の洞察…… 作品に深みを与えるまっすぐで流麗な文章 ──中央日報 書評
私の育て方が悪かったんですよね 「普通」の幸せに背を向ける娘にいらだつ「私」。 ありのままの自分を認めてと訴える「娘」と、その「彼女」。 ひりひりするような三人の共同生活に、やがて、いくつかの事件が起こる。 韓国文学の新シリーズ「となりの国のものがたり」第2弾!!