著者 : キャサリン・ジョージ
あなたと瓜二つの娘の存在に、 どうか気づいてくれますように。 親友を窮地から救うため、急遽フィレンツェを訪れたローズ。 だがそこに親友の姿はなく、代わりに彼女を待っていたのは、 実業家ダンテだった。じつは4年前、ローズは彼と出会ったとたん 激しい恋に落ち、そのまま薔薇色の未来を夢見て一夜を共にした。 なのにダンテは夜明け前に姿を消し、無情にもその後、婚約者と 結婚してしまったのだ。私を弄んで捨てた不実なプレイボーイ── 久しぶりに再会した彼が、別人のように世話を焼いてくれる姿を 横目で見ながら、ローズの心中は複雑だった。 彼に打ち明けるべきかしら? あなたには可愛い娘がいるのよ。 あの夜、あなたが授けてくれた宝物を、私は大切に守ってきたのと。 今も衰えない人気の実力派キャサリン・ジョージが描く、王道のシークレットベビー・ロマンス! ヒーローが黙って姿を消さざるをえなかった本当の理由を知ったヒロイン。彼の気持ちに共感し、寄り添おうとしますが、また彼がいなくなりそうで怖くて……。
安心してください、妊娠は間違いでしたー結婚式当日、そう綴った置き手紙を残し、ロウリは涙をこらえて花婿アダムの前から姿を消した。おなかの子は彼との愛の証だ。だがそう告げても、彼が私を愛してくれることはなかった。ロウリの罠に嵌められたと言い放ち、冷たく背を向けたのだ。あれから2年。ロウリは幼い娘を独りで育てていた。つましくも幸せで穏やかな日々がずっと続くと思っていたある日、偶然町中でアダムにでくわし、娘の存在を知られてしまう。我が子とかかわりたいという意外な彼の申し出に、ロウリは驚き、心が揺れたーまだ彼を愛している。でも彼を信じていいの?
新社長の半径30キロ以内の女性は みんな彼に首ったけ、ですって? 社長秘書のエリナは爽やかな秋晴れのその日、 社長から衝撃のニュースを知らされた。 老いた体をいたわるために社長は今日で現役を退き、 代わりに息子のジェームズを後任に据えるというのだ。 これまでの感謝のしるしとしてプレゼントまで贈られ、 エリナは感激のあまり涙ぐんで社長の胸に飛びこんだ。 そのとき折悪しく、新社長のジェームズが現れた! 洗練されて優雅な彼は、父と秘書の関係を邪推したらしく、 軽蔑しきった冷ややかな目でエリナをにらみつけた。 そして、その日からエリナに残業に次ぐ残業を命じてーー 長身で黒髪のジェームズとの緊迫の初対面に身を震わせたエリナ。上司になったその日から秘書を容赦なく働かせる彼を“冷酷無慈悲な奴隷商人”と呼ぶ一方で、とにかく女性にもてるという噂どおり、彼には圧倒的な魅力があることも認めずにはいられなくなり……。
あくまでもボスと秘書の関係だったはず。 同じ屋根の下で一夜を明かすまでは。 ロンドンでの独り暮らしのために仕事が必要なテオドラは、 建設会社の社長ジェイムズが秘書を探していると聞いて応募した。 前任の秘書たちに色目を使われ辟易していたというので、 髪を引っつめ極度に地味な姿で面接を受け、首尾よく採用になる。 ジェイムズは噂どおり高慢なボスだが、抗いがたいほど魅力的。 こんな外見のおかげで、彼が目もくれずにすんで助かったわ。 だが、ある朝、テオドラはやむを得ぬ事情で出社が大幅に遅れ、 すごい剣幕で住まいを訪ねてきたボスに素顔を見られてしまう。 辞職を伝えるテオドラに、なんと彼は出張旅行への同行を命じ……。 長年のキャリアを誇るC・ジョージの名作をお届けします。プレイボーイの高慢な社長ヒーローに、地味な秘書ヒロインはこき使われています。ところが彼女の素顔を知ったとたん、ボスの態度は変化して……。作者自身の姿と重なるヒロイン像をお楽しみください。
意地悪な言葉ばかりかけてくるのに、 なぜ私は彼を無視できないの……? 養母の死後、アントニアは自らの出生の秘密を遺書で知らされた。 21年前、実の母は若くしてアントニアを妊娠したことで勘当され、 出産後に娘を知人である養母のもとに養子に出したのだった。 今、遠い国の実業家の妻となった実母が、会いたいと言ってきた。 養母を失った悲しみに暮れていたアントニアだったが、 産みの母を見てみたいという純粋な気持ちで、招待に応じることにする。 現地へ飛び、母の住む邸宅を訪れたアントニアは、 傲慢さと威厳を漂わせた漆黒の瞳を持つ男性の登場にたじろいだ。 母の義理の息子ジャイメ・デ・アルメイダは、歓迎の意も示さず告げた。 「戦利品とともにすばやく帰国するのが君の目的なら、僕は許さない!」 魅力的ながら絶対君主のような態度をとる、血のつながらない義兄ジャイメからいきなり侮辱されたアントニア。やっぱりこんなところへ来るべきではなかったと後悔してみても、故郷にはもう家族はいなくて……。初版時、大好評を博した義兄妹ロマンスが蘇ります。
透明人間になったようで切ない……。 あなたは私を透かして、別人を見ている。 親友の結婚式に招待されたキャサリンは南欧に降り立ち、 まばゆいばかりの日差しに輝く花々と、風格のある屋敷に魅了された。 そして、親友の兄で、ポンタレグレ伯爵の称号を持つエドゥアード。 たびたび話に聞いていた“伝説の人”は、セクシーな男性だった。 だが彼はキャサリンを見た瞬間、その黒い瞳と微笑を凍りつかせた。 なんでも、少年時代の初恋の人に、彼女がそっくりなのだというーー 23年前、報われない恋に絶望して命を絶った女性に。 憂いを秘めたエドゥアードを知るほどに惹かれるキャサリンだったが、 同時に胸が締めつけられるような苦しさに悶えた。 なぜなら、彼の心はまだ、亡き初恋の人に囚われているのだから……。 ヒロインが愛に臆病なのには、もう一つ理由がありました。未婚の母に育てられ、父親が誰かもわからない自分と、ふさわしい家柄の地元の娘と結婚すべき伯爵とでは、あまりにも釣り合わないと気に病んでいて……。ベテラン作家C・ジョージの名作をお贈りします。
雷雨の中、帰宅を急ぐサラは道に飛び出し、車に轢かれそうになった。 運転していたのは町の名士で実業家のジェイク・ホーガンで、 彼からお詫びの花束が届き、翌日にはわざわざ様子を見に来てくれた。 紳士的なジェイクに、サラは生まれて初めて胸のときめきを覚えた。 でも、私のような、幼い娘を育てている女に、彼は興味なんてないはず。 それに、私には誰にも言えない秘密が、男性と親密になったら 打ち明けないわけにはいかない秘密がある……。 恋心を止めたいサラだったが、会うごとにジェイクに惹かれ、 雷鳴に怯えていたある夜、彼になだめられるうちに一線を越えてしまう。 そして、露見したーー彼女がまだ、純潔の身だったということが! 〈薄幸のシンデレラと幼な子〉と題して、やむにやまれぬ事情で小さな子供を育てるヒロインと大富豪とのロマンスを特集します。幼い少女の“母”として生きてきたサラの秘密の真相とはーー? ベテラン作家キャサリン・ジョージの、優しくて切ない名作です。
安心してください、妊娠は間違いでしたーー 結婚式当日、そうつづった置き手紙を残し、 ロウリは涙をこらえて花婿アダムの前から姿を消した。 本当は、愛するアダムの子供は確かにおなかの中にいる。 だが妊娠を告げたときから、彼は“罠にはめた”とロウリを責め、 日ごと冷淡になるばかり。もはや一緒にはいられなかったのだ。 あれから2年が経ち、ロウリは幼い娘を一人で育てていた。 つましくも幸せで穏やかな日々が、ずっと続くはずだった…… ある日の買い物帰り、アダムが突然、目の前に現れるまで。
「君はいったいだれだ?」掃除の仕事をしているエミリーは、派遣先で床磨きを終えたとき、突然現れた黒髪の男性に問いただされて狼狽した。仕事はいつも留守の間にすませるので、会ったことは一度もなかったが、この男性が雇い主ー裕福な銀行家ルーカス・テネントだろう。「あなたの家を掃除している者です」顔を赤らめながら答えたエミリーは、彼の顔色の悪さに気づいた。聞けばひどいインフルエンザにかかって早めに帰宅したのだという。熱と咳に苦しむルーカスに懇顧され、エミリーは彼の家に泊まりこんで看病をすることになった。
ある朝秘書のエリスが出社すると、社内の状況が一変していた。頼りにしていた上司は昇進争いに破れて左遷され、彼女の居場所はなくなっていたのだ。打ちひしがれるエリスに声をかけ、慰留する人物がいたー次期社長のマシュー・カニングだ。驚いたことに、彼は自分の秘書として働かないかと言う。自ら蹴落としたライバルの秘書を雇おうとするなんて、いったいどういうつもり?困惑しながらも、エリスは抗えない力に押されるように申し出を受け入れていた。
ケイトはブラジルの山間部の町へやってきた。大企業ミンバスコ社の社員に英語を教えるために派遣されたのだ。到着早々、彼女は驚くべき事件に巻きこまれる。まさか滞在先のホテルに血まみれの男が倒れ込んでくるなんて!なんて恐ろしいところに来てしまったのかしら。慌てて助けを呼んだケイトは、その男の兄だというルイスから突然、無礼な言葉を浴びせかけられ、ショックを受けた。どうやらケイトが事件の主犯だと勘違いしているらしい。翌日、出社した彼女は、社長を紹介されて思わず凍りつく。目の前で、まさに昨日の尊大な男、ルイスがこちらを