著者 : キャロル・グレイス
社長のジョーのもとで秘書として働いた3年間、 クラウディアはずっと彼に想いをよせてきた。 その恋はクリスマスパーティの夜、成就したかに思えた── 翌日何事もなかったかのように、彼が振る舞うまでは。 もうこれ以上、彼が美女たちとデートするのを見ていられない。 クラウディアは辞職を決意し、ジョーの出張中に会社を去った。 ところが彼は、頑として退職を認めないばかりか、 戻ってくるよう主張して譲らない。 クラウディアはしかたなく、2週間だけの職場復帰に同意した。 どんなに望まれても、それ以上は無理よ。身重の体なのだから。 いまはなき幻のシリーズ、シルエット・ロマンスの珠玉作をお贈りします。長年、上司である社長のジョーに焦がれてきた秘書のクラウディア。クリスマスパーティの夜、ついに想いが溢れ出て……。
病気になった母の代わりにずっと家事をしてきたエリーは、 父の再婚後も、継母と義理の姉たちの分まで働かされてきた。 今は父も亡くなり、その遺産を元手にケータリング業を始めた継母に こき使われながらも、いつかは自分のレストランを開く夢を抱いている。 そんなある日、大富豪投資家の邸宅でパーティが開かれることになり、 実の娘たちを裕福な男性と結婚させようともくろむ継母を尻目に、 エリーはいつものように裏方として厨房で立ち働いていた。 そこへ不意に、ダークスーツの長身の男性が現れ、エリーは息をのんだ。 ジャック・マーティンーー血も涙もない男が、ここの主人だったなんて。 半月前、私の夢を、始める前に潰れると馬鹿にして投資を断った彼が! 〈わがままな継母の陰で〉と題して、義理の母や姉にいじめられるシンデレラの物語をお届けします。心をこめて作った料理が、まさかお金のことしか頭にない冷血な大富豪のためとは思いもしなかったエリー。案の定、彼はエリーのことを覚えていない様子で……。