著者 : クラーク・ダールトン
フェイヤーダル人からローダンたちに、惑星プレーンドム訪問を許可する連絡がきた。テストでは合格しなかったにもかかわらず、何者かの介入により、許可がでたのだ。プレーンドムには、行方不明のテラに関して情報を持つと思われる、テルムの女帝の謎を解く鍵があるにちがいない。だが、ローダンのほかに、フェイヤーダル人が指定してきた同行者七人は、異種族との交渉経験のすくない“ソル”生まれの若者ばかりだった。
人口のほとんどが女性で占められているオヴァロンの惑星に、フラグメント船とともに着陸した“ファラオ”の男性乗員たちは、思いもよらぬ攻撃をうけていた。結婚相手を求めるオヴァロンの惑星の女性たちが、あの手、この手で男性乗員を誘惑しつづけるのだ。いっぽう、レジナルド・ブルは、もうすぐ帰還するはずの“ソル”のために、宇宙船の燃料製造施設を作ろうと考え、オヴァロンの惑星の執政官と交渉を開始するが…。
ヨルショル霧状星雲のヨル・ベータ星系を調査するべく派遣された旧ミュータントのベティ・タウフリーは、とんでもない窮地に陥っていた。人類にたいして叛乱を企てているマルティ・サイボーグ、ムサイの発明したモジュール放射プロジェクターのせいで、ベティは意識の搬送体であるムサイの肉体を自由に使えなくなったのだ。ヨル・ベータ星系のムサイの状況に不審をいだいたアトランは、艦隊180隻の派遣を決意するが…。
ラール人が仕立てた、にせものの“マルコ・ポーロ”は、アトランが用意していた欺瞞惑星オルクシィを破壊してしまった。アトラン率いるNEIの本拠惑星のポジションを知る“事情通”が、ラール人をオルクシィに案内したにちがいない。アトランとラス・ツバイの搭乗する“ソルセル=2”は、にせ“マルコ・ポーロ”を撃破すべく、ヨルショル霧状星雲に向かった。だが、そこには、思いもよらぬ存在が待ち受けていたのだ。
グッキーはリバルド・コレッロの協力を得て、超心理実験を敢行した。肉体から精神をきりはなしてエネルギー生物のハルノを探そうというのだ。実験は成功し、5週間後に意識をとりもどしたグッキーは驚くべき事実を告げた。ハルノは大群に捕らえられており、その大群は銀河の星々の強奪を企図しているというのである。驚愕したローダンはネズミ=ビーバー率いるコマンドを大群内部に潜入させることをついに決意したが…。
3441年11月14日、ローダン一行は銀河南縁を偵察中だった。大群から出現したキノコ船があらたに銀河重力定数を微調整したのだ。その理由を探ろうとするうち、グッキーとフェルマー・ロイドが混乱した思考インパルスをキャッチする。相手は“それ”…あろうことか、ワンダラーの不死者が重力定数操作の影響をうけ、援助をもとめてきたのである。ローダンは急遽“それ”が指示した星系アイリー=ギャナティに向かったが。
土星の衛星タイタンの軍事司令エドモンド・ポントナクはオヴァロン制御ステーションのコマンド脳に呼ばれた。ポジトロニクスがヴェガ星域でブリー率いる太陽系艦隊と交戦中の貯蔵庫部隊を捕捉、タイタンとグルエルフィン銀河を結ぶペドパイラーを作動させたのだった。待機するポントナクのもとにペドトランスファーしてきたオヴァロンは、侵攻部隊の動向を探るため、貯蔵庫を指揮するヴァスカロを乗っ取ろうとしたが…。
『マルコ・ポーロ』で頻発した怪事は、惑星ファースト・ラヴの謎の“老人”が仕掛けた“資格テスト”だった。その老人はどうやら失われたガンヤス族に深く関わる者らしい。惑星に着陸したオヴァロンとローダンに、“老人”は最終テストを課すと言う。いよいよ過去の秘密が明かされるのかーテラナーらは固唾をのんで経過を見守るが、一方そのころ、タケル人の本拠惑星タケラから1万隻の大艦隊が密かに出撃していた…。
燃える惑星モラケシュを軽巡CMP=1でからくも脱出したローダンだったが、六千のモリタトール難民を抱えた艦は身動きもままならない。背後にタケル艦隊が迫る四面楚歌の状況で、彼らのいつ終わるともしれぬ逃避行がはじまった。一方「マルコ・ポーロ」で別行動をとっていたアトランも、ローダンからの連絡が絶えたのを不審に思い、ピュソマ星系に引き返す。だが旗艦を待ちうけていたのは、タケル艦隊の猛砲火だった。
ガンヤス族の痕跡が見つからず焦燥するローダンは、ついに『マルコ・ポーロ』搭載艦艇による50の偵察隊を異銀河各地に派遣した。そのひとつ、アトランの偵察隊はかつてガンヤス帝国の通商拠点として栄えた惑星オフソホナルへ向かう。偵察の結果、戦火の放射能によって突然変異した原住民は、他種族の掠奪をなりわいとするオルコノル人の圧政下にあることが判明。彼らを救うべく、アトランはみずから危地に身を投じるが。