著者 : クルト・マール
地球がブラックホールにのみこまれる日が近づいた。本能的な死の恐怖におびえるアフィリカーたちは、あらゆる手段を講じて宇宙船を手に入れ、地球脱出を試みようとする。ところが、謎の薬物“ピル”を常用する人々は、目前に迫った恐怖も忘れ、おだやかな日々を過ごしていた。薬物の正体はなにか。出どころは?“ピル”の秘密を探るために、レジナルド・ブルは中国イーシェンに飛ぶ。そこで、驚くべき事実が判明した。
故郷銀河をめざす“ソル”に異言語の非常シグナルがとどいた。発信源をつきとめるため、グッキーとフェルマー・ロイドは搭載鑑の“クロンダイク”で惑星グロソフトに向かう。ところが、近づくにつれ、ミュータントふたりは正体不明の強力なインパルスに襲われる。その出どころは非常シグナルと同じく、惑星の港町クノサウルだった。インパルスの謎を解明しようと、クノサウルに着陸したふたりを待ちうけていたものとは。
故郷銀河からやってきた〈BOX 13111〉とテラナーを乗せたハルト船は、〈クレスト4〉のローダンたちとの邂逅をはたした。そこへ基地のエンジニア、キボシュ・バイウォフから交渉を求めるメッセージが届いた。人質をとるための罠の可能性はあるものの、交渉せざるをえない。そこでローダンは、チャイ・クールーを長とする交渉使節の派遣を決定した。クールーはコルヴェットKC-21でパルヤル星系へ向かったが…。
オクストーン人は、震動守護者アセル・キンを捕虜にして、いずこに通じているとも知れぬ転送機に震動守護者を送りこんだ。その転送先が、海王星の夢の海と呼ばれるメタンの海であるとついに判明した。そこでアセル・キンをあらためて捕まえるべく、レッドホース率いる突撃コマンドは海王星をめざす。震動守護者トロ・コンの操るオールド・マンとその超弩級戦艦群が包囲している海王星でかれらを待ちうけるものとは…。
コン・バイト提督麾下のUSO第十四重攻撃戦隊の八百隻は、マゼラン星雲のデンジャー1をめざし出撃した。知性体の自由意志を奪い、思いのままに操るヒュプノ・クリスタルが、この惑星で産出されているのだ。だが、デンジャー1を包囲した戦隊が攻撃を開始すると同時にクリスタルのヒュプノ攻撃も始まった。乗員の意志を奪われて、戦隊はたちまち大混乱に陥ってしまう。この窮状を打開するため、特殊コマンド部隊が惑星に降下し、敵の要塞を攻略しようとするが…。
ローダンらテラナー5人は、敵の洋梨型宇宙船に乗りこみ惑星キーグから脱出した。だがその宇宙船は、知性生物を思いのままに操るクリスタル工作員に支配されていた。しかも、船内にはクリスタル工作員の奴隷である、縦横1メートル半の奇怪な宇宙人“将軍”がひしめき、ローダンらを捕らえようとしているのだ。一方《クレスト4》を指揮するアトランは、キーグから発進した8隻の敵宇宙船のいずれかにローダンらが乗っているにちがいないと8隻を追跡しはじめるが。
全長1500メートルの洋梨型宇宙船が、突如モルゲンロート封鎖星域に侵入してきた。マゼラン星雲の方向からやってきたその未知宇宙船は、警告通信にも応答しないし、威嚇射撃にも反応しない。太陽系帝国艦隊の戦艦〈オマゾ〉は宇宙船をやむなく攻撃、破壊した。だが、爆発の雲からグリーンに輝く巨大なクリスタルが出現し、宇宙船のとっていたコースどおりに光速の10パーセントの速度で飛んでいくのだ。〈オマゾ〉の艦長は、この奇怪な物体の監視を命じられたが…。
散弾転送星系を警備する太陽系艦隊所属の巡洋艦「ヘリボン」は、異様な発光現象とともに現われた未知物体を発見した。5キロメートルもある巨大な物体は、とても宇宙船とは思えない不規則な形にもかかわらず、核融合反応炉を持っているらしい。異種族との交渉用コードでも応答が得られなかったテラナーたちは、その正体を探りだそうと物体の内部に突入するが!?
太陽系帝国財務相、ホーマー・G・アダムスは生きていた。島の王たちの作りだしたデュプロ、複製といつのまにかすりかえられ、誘拐されたアダムスーかれは五人の太陽系帝国要人とともにアンモニア大気に覆われた惑星グラハトに幽閉されていたのだ。厳重な監視下にありながら、ひそかに脱走計画をねりはじめた六人の前に、意想外の人物が現われた。もう一人のアダムスが姿を見せたのだ。少なくともどちらかが島の王が送りこんできたスパイのデュプロにちがいない。だが、偽者はアダムスだけなのか…。六人それぞれが疑心を抱きつつ、ついに計画は実行された。
5万年もの過去で、現在に戻る道を模索するローダンは新たな手を打った。ハイパー波であろうと、エネルギー・ビームであろうと、その他あらゆるエネルギー流を利用して移動することができるミュータント、パラスプリンターのウールヴァ兄弟を出動させたのだ。彼らがめざすのは、カハロに駐在する島の王たちの時間エージェント、フラスブール。彼を捕えれば、現在へ帰還する方法を探りだせるかもしれない。さっそく警戒厳重なカハロに潜入した兄弟は、フラスブールの秘密司令部を捜しはじめた。だが、そのときすでに彼らを待ちうける罠がしかけられていたのだ!