著者 : クルト・マール
別行動をしていたアトランとジェン・サリクはスタルセンの地下洞窟網でふたたび合流した。盲目の隠者という名の樹木生物の攻撃をかわしつつ、従者たちとともに地下中心部をめざして進んでいく。たどり着いた場所には、細胞活性装置に似た巨大な金色の卵があった。卵はアトランとサリクを“祝福された者”と呼んで歓迎の意をしめし、ふたりの助力をもとめてくる。そしてスタルセンの歴史に関する長い物語を語りはじめた!
深淵の地の主要都市スタルセンでは厳格な階級制度が定着し、下級の市民はきびしい生活を強いられていた。それを打ち壊すと決意したアトランは、特権階級市民との決闘に挑むジェン・サリクと別行動をとり、忠実な従者となった深淵の住民チュルチとともに同志集めに向かう。だが、その途中で友愛団と名乗るプシオニカー集団の超能力に捕まってしまい、かれらの本拠である大ダコ形の建物“オクトパス”のなかに拘束された!
ローランドレ偵察隊のうち、クリフトン・キャラモンとレオ・デュルクのペアは、クモ生物のガルウォ種族とコンタクトしたさい、重要な情報を手に入れていた。“ヒールンクスのプラネタリウム”というキイワードだ。それがなんであれ、そこに行けばローランドレについてなにかわかるはず。そう考えたキャラモンとデュルクは、ガルウォの指揮官アルネマル・レンクスとその部下とともに、プラネタリウムをめざして出発した!
アルマダ王子のナコールとともにローランドレをめざす銀河系船団は、いよいよ目的地に近づいていた。ところがそのとき、一種の壁のような構造物が宇宙空間にあらわれる。その構造や性質は、探知分析によってもまったく不明だ。同時に“バジス”に警報が鳴りひびき、船内に未知者が侵入したことがわかった。船載コンピュータのハミラー・チューブが推測するには、異人からローランドレを守る者ではないかというのだが…。
ローダンたちは惑星マクントに足どめされたまま、身動きできずにいた。バリアに阻まれ、アトラン率いるSZ=1に連絡することもできない。トバールグの出方を待つばかりという状況のなか、乗員たちはしだいに退屈しはじめた。そのひとり、ガルト・クォールファートは、世話係のポスビやマット・ウィリーの手を逃れて船内をうろつく。しかし結局は捕まってしまい、例のとおり緊急外科手術をほどこされることになるが…。
一週間以内に解毒剤を打たないと確実に死亡する毒物を、狂気の生物学者シャマノヴォに注射された三人の男たちは、ホヴァークラフトに乗り、パラトカ制御ステーションをめざしていた。地球でわずかに生き残った三人、カウクとティングマーとブラフは、パラトカに到着したら、解毒剤をあたえるというシャマノヴォの約束を信じるしかなかったのだ。三人の唯一の希望は、危機にさいして逃げだしたK=2ロボットだけだった。
ヨルショル霧状星雲での悲劇のあと、ローダンとアトランの対立はますます深刻化していた。NEIの180隻の艦隊に“ソル”は包囲され、“ソル”生まれの乗員たちは“故郷”の危機に不安をつのらせる。そのなかのひとり、ラレエナには、猫のような外見と敏捷性を持つ息子のブジョがいた。“ソル”生まれの代表を自任するサイバネティカーのヘルムートは“猫男”ブジョの力を借り、事態を打開する糸口を探そうとするが…。