著者 : クルト・マール
別行動をしていたアトランとジェン・サリクはスタルセンの地下洞窟網でふたたび合流した。盲目の隠者という名の樹木生物の攻撃をかわしつつ、従者たちとともに地下中心部をめざして進んでいく。たどり着いた場所には、細胞活性装置に似た巨大な金色の卵があった。卵はアトランとサリクを“祝福された者”と呼んで歓迎の意をしめし、ふたりの助力をもとめてくる。そしてスタルセンの歴史に関する長い物語を語りはじめた!
深淵の地の主要都市スタルセンでは厳格な階級制度が定着し、下級の市民はきびしい生活を強いられていた。それを打ち壊すと決意したアトランは、特権階級市民との決闘に挑むジェン・サリクと別行動をとり、忠実な従者となった深淵の住民チュルチとともに同志集めに向かう。だが、その途中で友愛団と名乗るプシオニカー集団の超能力に捕まってしまい、かれらの本拠である大ダコ形の建物“オクトパス”のなかに拘束された!
行方不明の偵察隊メンバーの使者と称するトルクロート人からメッセージを受けとり、友たちの危機を予感したローダンは、アルマダ工兵の罠と知りつつ、ナコールとともにローランドレに潜入する。そこでナコールのアルマダ王子としての記憶がとりもどせるかもしれないと考えたのだ。だが、ローランドレを掌握したアルマダ工兵に追い詰められてしまう。窮地におちいったかれらを謎めいたヒューマノイドが助け、道を開いた!
ローランドレ偵察隊のうち、クリフトン・キャラモンとレオ・デュルクのペアは、クモ生物のガルウォ種族とコンタクトしたさい、重要な情報を手に入れていた。“ヒールンクスのプラネタリウム”というキイワードだ。それがなんであれ、そこに行けばローランドレについてなにかわかるはず。そう考えたキャラモンとデュルクは、ガルウォの指揮官アルネマル・レンクスとその部下とともに、プラネタリウムをめざして出発した!
銀河系船団がフロストルービンを通過したさい、“マスクの男”アラスカ・シェーデレーアの顔からカピン断片が消えた。断片は体内で動きまわるようになり、以来、かれは不調に苦しんでいる。そのアラスカは、ローダンの指示によりソルゴル人カルフェシュとローランドレ偵察隊に参加するが、目的地に近づくとともに幻覚に襲われ、艇を墜落させかけてしまう。ふたりは艇を放棄し、ローランドレ内部に向かうことになるが…
“バジス”ひきいる銀河系船団とクラン艦隊は、ローランドレの四つある関門のうち、ふたつを突破していた。第三関門を開くには、三つめの合言葉を見つけなくてはならない。そんなとき、船内の備品や技術機器が次々に消えるという事件が起こる。ローダンが調べてみたところ、だれかが盗んだらしいと判明した。未知の泥棒の意図はなにか?これもまた、ローランドレの門番クメキルがもたらした災厄のひとつなのだろうか?
アルマダ王子のナコールとともにローランドレをめざす銀河系船団は、いよいよ目的地に近づいていた。ところがそのとき、一種の壁のような構造物が宇宙空間にあらわれる。その構造や性質は、探知分析によってもまったく不明だ。同時に“バジス”に警報が鳴りひびき、船内に未知者が侵入したことがわかった。船載コンピュータのハミラー・チューブが推測するには、異人からローランドレを守る者ではないかというのだが…。
無限アルマダの重要拠点ローランドレをめざしていた銀河系船団は超越知性体セト=アポフィスの奸計にはまり、その居所である惑星アイテランへ連行されることになった。超越知性体の工作員にされてしまった“バジス”船長ウェイロン・ジャヴィアに先導されて、ペリー・ローダンとローランドレのナコール、別名アルマダ王子がアイテランに降りる。セト=アポフィスは、ペリー・ローダンを奴隷にするつもりらしいのだが…。
アルマダ年代記の正体は、ウォムと呼ばれる極小サイズのヒューマノイドだった。無限アルマダの歴史を語るウォムが数十億体も収容された黒いピラミッドこそ、アルマダ年代記そのものだったのだ。ローダンが一体だけ“バジス”に持ち帰ったウォムは“アルマダ予言者”という謎の存在について語りはじめる。“バジス”はウォムの言葉にしたがって、アルマダ予言者を探す旅に出た。ところが、途中で奇妙な二重星に遭遇した!
アルマダ炎を帯びたアトランひきいる“ソル”が惑星バジス=1に帰還してきた。アルマダ中枢、すなわちオルドバンが沈黙してのち狼藉を働いていたトルクロート人を平定し、その大艦隊とともにもどってきたのだ。トルクロート人は、アトランをオルドバンの使者と思いこんでいる。ローダンは、この状況を利用してアルマダ工兵に先んじようと、オルドバンの消息を探る遠征を計画。ふたたびアトランに任務を託すのだが…?
はるかな未来、アンドロメダ銀河に住むマークス種族は、その大半が肉体を捨てて“影マークス”と呼ばれる精神存在になっていた。肉体を持つ“原理主義者”はごくわずかとなり、進化をじゃまする存在として迫害されている。そんな原理主義者のグレク336が、時間ダムの影響でNGZ四二六年のテラへタイムスリップしてしまった。ヴィシュナの接触を受けてテラナーの敵となった原理主義者は、各地で破壊活動をはじめた!
変節した女コスモクラートのヴィシュナがついに時間ダムの秘密を見抜き、ロボット種族のクロングとパルスフを使って地球を攻撃してきた。ツナミ艦隊の活躍でかろうじて難を逃れたものの、地球ではプシオニカーたちが原因不明の精神障害を負ってしまう。そんな精神障害者の数名が、なぜかクロングとパルスフに強い親近感をいだきはじめた。レジナルド・ブルはこの状況を利用してヴィシュナのたくらみを封じようと考える!
どこか遠い銀河間の虚無空間に、シャット=アルマロングという名のロボット文明があった。ロボットたちはその用途別にファミリーという単位でグループ分けされ、“永遠の従者”と自称している。自分たちに命令をあたえる“指令コード”を持つ主君を、長年待ちつづけているのだ。あるとき、ロボット文明から追放されて宇宙をさまよっていたクロングとパルスフの両ファミリーが、ヴィシュナの具象ベリーセの目にとまった!
イホ・トロトとブルーク・トーセンが乗るハルト船は、マークスの宇宙駅であるルックアウト・ステーションを出たあと、ふたたび異質な未知の力に操られていた。どこかでエネルギー渦に落下したのち、巨大な壁の前にたどりつき、そこからさらに、トンネルに似たべつの場所へと誘導されていったのだ。ついに“デポ”に到着したのだろうか?そう考えたかれらの前に、奇妙な鳥生物の群れがあらわれ、船内へと侵入してきた!
“ソル”乗員のホンス・プリス=フェルマイデンとセシントラ・ワルドンは、テルムの女帝とフェイヤーダル人との連絡に使われるコンタクト・センターをめざしていた。権力闘争にあけくれて、テルムの女帝にとりついでくれようともしない規律創造者のサトゲノスとレザルスローンには内緒で、コンタクト・センターに侵入しようというのだ。だが、“ソル”で生まれ育った者には想像もつかない困難がふたりを待ちうけていた…。
ローダンたちは惑星マクントに足どめされたまま、身動きできずにいた。バリアに阻まれ、アトラン率いるSZ=1に連絡することもできない。トバールグの出方を待つばかりという状況のなか、乗員たちはしだいに退屈しはじめた。そのひとり、ガルト・クォールファートは、世話係のポスビやマット・ウィリーの手を逃れて船内をうろつく。しかし結局は捕まってしまい、例のとおり緊急外科手術をほどこされることになるが…。
一週間以内に解毒剤を打たないと確実に死亡する毒物を、狂気の生物学者シャマノヴォに注射された三人の男たちは、ホヴァークラフトに乗り、パラトカ制御ステーションをめざしていた。地球でわずかに生き残った三人、カウクとティングマーとブラフは、パラトカに到着したら、解毒剤をあたえるというシャマノヴォの約束を信じるしかなかったのだ。三人の唯一の希望は、危機にさいして逃げだしたK=2ロボットだけだった。
ヨルショル霧状星雲での悲劇のあと、ローダンとアトランの対立はますます深刻化していた。NEIの180隻の艦隊に“ソル”は包囲され、“ソル”生まれの乗員たちは“故郷”の危機に不安をつのらせる。そのなかのひとり、ラレエナには、猫のような外見と敏捷性を持つ息子のブジョがいた。“ソル”生まれの代表を自任するサイバネティカーのヘルムートは“猫男”ブジョの力を借り、事態を打開する糸口を探そうとするが…。