著者 : グレゴリー・ケズナジャット
開墾地開墾地
何かを追いかけているのか、 それとも何かから逃げているのか。 父のルーツの言葉、母語の檻、未知なる日本語 父と息子、故郷へのそれぞれの想いが静かに共振する 留学先の日本から、サウスカロライナに帰郷したラッセル。 葛の繁茂した庭、南部ならではの湿気、耳に届く哀切な音楽ーー 青年は、遠くイランからこの地に根を下ろした父の来し方に想いを馳せる。 デビュー作『鴨川ランナー』で、言語と自己のはざまの揺らぎを描き、 京都文学賞を受賞。 越境文学の新たな領域をとらえる著者の、注目の最新刊。
鴨川ランナー鴨川ランナー
日本と世界の狭間で生まれた中篇2本。 「鴨川ランナー」……外国から京都に仕事に来た青年の日常や、周囲の扱い方に対する違和感、その中で生きる不安や葛藤などを、「きみ」という二人称を用いた独特の文章で内省的に描く。京都文学賞受賞作。 「異言」……福井の英会話教室を突如やめる羽目になった主人公は、ある日同僚の紹介で結婚式の牧師役のバイトを紹介されるが……。
PREV1NEXT