著者 : ケリー・ハンター
身分違いの関係が行き着くのは、 またしても悲劇なの……? アンジェリクはタラシア王国の王宮で働いていたとき、 傲慢で奔放な王子ヴァレンタインに見そめられ、純潔を捧げた。 ほどなく若い二人の関係は噂になり、激怒した彼の父の命令で、 アンジェリクは王宮から追放されたのだった。 10年後、彼女は今や国王となったヴァレンタインと再会する。 富と権力と名声をほしいままにしてきた彼だが、病気のせいで 子供の作れない体となり、退位すら考え始めているという。 そんな彼から王宮で1カ月暮らさないかと提案されたとき、 彼女は腹立たしくも悟る。彼への想いがまだ消えていないことを。 アンジェリクは悲劇の再来を恐れつつも、ヴァレンタインに押し切られるように王宮で暮らし始めます。失われた時間を取り戻すように愛し合う二人。悪意に満ちたメディア攻撃に晒されるなか、彼女は妊娠に気づき……。『国王陛下の無垢な花嫁』関連作。
モリアナはあまりのことに言葉を失った。8歳のときに決められた隣国の王との婚約が、彼に幼い娘がいたとわかり、突然破棄されてしまったのだ。傷心に沈む彼女のもとに、その直後、求婚の手紙が届いた。送り主は、もう一つの隣国の王テオ。昔、犬猿の仲だった彼も王となり、花嫁が必要なのだろう。家族を失い、この10年放蕩三昧だったと噂のテオが、白いタキシード姿で現れた瞬間、モリアナは目を奪われた。テオは獲物を狙う鷹さながら、彼女を熱い瞳で射抜き…。
「この人は本当にわたしのパパなの?」ああ、愛しい娘に真実を話す日がついに来てしまった。7年前、アナの人生は魅惑的な若者キャスに一変させられた。激しい恋に落ち、夢のような1週間を過ごしたふたりだったが、キャスは突然姿を消したー素性も連絡先も告げないまま。妊娠9カ月のときに新聞の写真で彼が王国の次期国王だと知り、アナは娘とふたりでひっそりと生きていく決意をしたのだった。なのに今さら現れて、娘を差し出せと迫るなんて…。記憶よりもさらに魅力的な彼を前に、アナの心は千々に乱れた。