著者 : サラ・モーガン
キーリーは16歳のとき、手ひどい失恋を経験した。家によく遊びに来ていた兄の友人ザックに熱を上げ、思いきって愛を告白したが、みごとに拒まれたのだった。以後、ザックは二度とキーリーの前に現れなくなり、彼女の心には癒やされない傷だけが残った。8年後、研修医となったキーリーは指導医師を見て愕然とする。今なおまぶたの裏に思い描いては胸を締めつけるザックの姿がそこに!キーリーは恋心がまったく衰えていないことを確信するが、彼は1年前に妻を亡くし、女性と真剣に付き合うつもりはないと知る。もう傷つきたくない。この想いは絶対に隠し通さなければ…。初恋を踏みにじった男性と再会し、ふたたび“片思い”をこじらせるヒロイン。ザックが2歳になる娘の世話に困っているのを見かねて、彼の家に住み込んで育児を手伝うことにするキーリー。秘密の恋の行方は?
コレッティ家のパーティでパパラッチに追われたテイラーは、広大な屋敷の庭園にある、生け垣の迷路に逃げ込んだ。そのいちばん奥で、彼女はルカ・コレッティと出会う。ひと目で惹かれ合ったふたりは熱いキスを交わすが、翌日、盗撮された写真がでかでかと新聞を飾ってしまう。-子役時代から、欲深いステージママの母親や、女優を食い物にする監督に利用され続けてきたテイラー。もう二度と誰にも騙されないと誓っていたのに、ゴージャスな御曹司ルカの誘惑にぽうっとなってしまったなんて。テイラーは醜聞を避けるため、“ルカは私の婚約者”と発表する。数時間後、驚きと怒りに燃えたルカが、真っ赤なフェラーリで追ってきた!
ウエイトレスのシャンタルは、うっとりと思い返していた。ギリシアの大富豪アンゲロスが開催した慈善舞踏会の夜のことを。ハンサムな男性に声をかけられ、夜どおし踊った…。まさか、彼がアンゲロス本人だったとは。ある招待客の代わりに出席していたシャンタルは、素性を暴かれるのを恐れて慌てて逃げ出してしまったのだ。おとぎばなしは終わり、彼女はまたみじめな生活に戻った。それなのに、アンゲロスがわたしを捜し出すなんて!彼はなぜかひどく怒ったまなざしでシャンタルを見据えると、「父に会ってもらう」と言って彼女をむりやり車に押し込んだ。ギリシアとパリを舞台に描かれる、大富豪と貧しいウエイトレスの運命の恋物語。