著者 : シルビナ・オカンポ
蛇口 オカンポ短篇選蛇口 オカンポ短篇選
数も形も明らかにされていない無数の蛇口からしたたる滴たちの轟音、鳥たちは蛇口の旋律を奏で、犬たちは満月の夜に蛇口の歌を吠える…チベットの奥地にある秘境を旅した思い出を、幻想かつ詩情あふれる文体で描く「蛇口」、ブチ切れるたびに自らの肉体を噛みちぎる猟奇的な自傷行為をくりかえし、自ら命を落としてしまう女の悲劇をユーモラスに語る「マルバ」、迷信深い女と結婚した語り手の男性が、見知らぬ女へと変貌していく妻を前に困惑する「砂糖の家」、ボルヘス風の幻想譚「見えない本の断章」など、1937年のデビュー作『忘れられた旅』から1970年の『夜の日々』までに書かれた5つの短篇小説集をもとにして編んだ日本独自の短篇選集。36篇収録。
復讐の女/招かれた女たち復讐の女/招かれた女たち
ボルヘスやビオイ・カサーレスに高く評価され、「アルゼンチン文学の秘宝」とも称された短編小説の名手シルビナ・オカンポは、日常生活に隠された不思議から奇想天外な物語を引き出した。幻想的リアリズムの頂点をなす怪奇短編集『復讐の女』と『招かれた女たち』の全78篇を収録。本邦初訳。
PREV1NEXT