小説むすび | 著者 : シルビナ・オカンポ

著者 : シルビナ・オカンポ

蛇口 オカンポ短篇選蛇口 オカンポ短篇選

世界的作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの盟友、アルゼンチンを代表する作家のひとりビオイ・カサーレスの妻、アルゼンチンでもっとも裕福な女性のひとり、そして20世紀スペイン語文学におけるもっともエキセントリックな小説家、シルビナ・オカンポ。 1937年のデビュー作『忘れられた旅』から1970年の『夜の日々』までに書かれた5つの短篇小説集をもとにして編んだ日本独自の短篇選集。 数も形も明らかにされていない無数の蛇口からしたたる滴たちの轟音、鳥たちは蛇口の旋律を奏で、犬たちは満月の夜に蛇口の歌を吠える……チベットの奥地にある秘境を旅した思い出を、幻想かつ詩情あふれる文体で描く表題作「蛇口」、ブチ切れるたびに自らの肉体を嚙みちぎる猟奇的な自傷行為をくりかえし、自ら命を落としてしまう女の悲劇をユーモラスに語る「マルバ」、迷信深い女と結婚した語り手の男性が、見知らぬ女へと変貌していく妻を前に困惑する「砂糖の家」、聾啞学校全生徒の一斉失踪の奇跡譚「これが彼らの顔であった」、ボルヘス風の幻想譚「見えない本の断章」など、36篇収録。

復讐の女/招かれた女たち復讐の女/招かれた女たち

ボルヘスやビオイ・カサーレスに高く評価され、「アルゼンチン文学の秘宝」とも称された短編小説の名手シルビナ・オカンポは、日常生活に隠された不思議から奇想天外な物語を引き出した。幻想的リアリズムの頂点をなす怪奇短編集『復讐の女』と『招かれた女たち』の全78篇を収録。本邦初訳。 日常的儀礼の内側に存在する魔法や、鏡には映らない禁断の顔、秘密の顔をこれほど見事に捉えた作家は、他に誰も思いつかない。 ──イタロ・カルヴィーノ シルビナ・オカンポの詩と短編小説が読者に暴き出す世界は驚異的なほど豊かな光を放つ。 この豊かさは語彙の産物ではなく、繊細で明敏な感受性に由来する。 ──ホルヘ・ルイス・ボルヘス シルビナは必然的とさえ言えるほどの独創性を備えていた。 ──アドルフォ・ビオイ・カサーレス 日常生活の小さなホラーに目を留める作家は少なく、日々の不思議に目を向ける作家はもっと少ない。 これほど知的で優雅なユーモアを添えて両者を記録した作家は、時代や言語を問わず、シルビナ・オカンポ以外に誰も思いつかない。 ──アルベルト・マングエル ボルヘス、ガルシア・マルケスと並び、シルビナ・オカンポはスペイン語圏をリードする作家だ。 ──ジョルジェ・アマード ■復讐の女 金の野兎 続き 病 後裔 砂糖の家 時計の家 ミモソ ノート 巫女 地下室 写真 マグシュ 土地 品々 私たち 復讐の女 引き出しに紛れ込んだ手紙 死刑執行人 黒アサバチエ玉 最後の午後 ビロードのドレス レオポルディーナの夢 周波 結婚式 女性患者と医師 電話の声 罰 お祈り 創造(自伝的物語) 吐き気 快楽と罰 友達同士 天国と地獄の報告 絶滅しない人種 ■招かれた女たち あんな顔つきだった 雄牛の娘 脱走 ベッドの下の手紙 現像 アメリア・シクータ 黒雑貨屋 階段 結婚式 科学の進歩 幻視 寝床 煙の輪 檻の外 イシス 復讐 シビュラの恋人 モーロ エクアドルの不吉な男 魔法の医師 近親相姦 手の平の顔 愛人たち ティルテ温泉 地下生活 鬘 贖罪 亡霊 マルメロの牝鶏 セレスティーナ イセラ 完全犯罪 結び目 愛 致命的罪悪 ラダマンテュス 穀物倉庫 刻印の木 別れの手紙 魔法のペン ポルフィリア・ベルナルの日記 ミス・アントニア・フィールディングの話 招かれた女たち 石 アドラーノ寺院のマスチフ犬 シルビナ・オカンポ(1903–93)年譜

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