著者 : シーオドア・ウィーズナー
真の刑事(上巻)真の刑事(上巻)
ジルベール・デュラック、この道26年のヴェテラン刑事。思慮深く公平、子供がないのが人生唯一の悔恨。そんな彼の前に事件が発生した。貧しい母子家庭の12歳の少年が突然失踪したのだ。誘拐したのは友人もなく、同性愛の世界へ片足を踏み入れている22歳の大学生。彼の生い立ちには、愛情がまったく欠落していた。彼はただ、ともに語り合える弟か友人が欲しかったのだが…。
真の刑事(下巻)真の刑事(下巻)
子供の失踪の原因は充分な愛を注いでやれなかったからではないかと心を傷めつつ、安否を気遣う母。自分がつくりだした状況に逆に追い詰められ、子供を連れたまま身動きのとれない犯人。そして誠実に職務を果たし、犯人を追う刑事。-忌まわしい未成年者誘拐と、毒々しい同性愛の世界を描きながら、弱者や傷ついた者たちへの深い同情のまなざしを向け、非情な社会の深淵を突く長編。
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