著者 : ジェフリー・アーチャー
イギリス労働党に入党し政治家としての階段を上りつめていくサーシャ。ヴェトナム戦争を経てアメリカの経済界で伸し上がっていくアレックス。やがて二十世紀が終わる頃、二人の進路は何かに導かれたかのように同じ場所へと向っていく。そこには野望と怨念が渦巻く世界が待ち構えていた。果して両者の到達点はー現代史を背景に、人生の偶然と宿命を奇抜なスタイルで描き出す空前のサーガ。
町長殺害事件を捜査する刑事の前に現れたのは、犯行を自白する51人もの町民だった…「だれが町長を殺したか?」。早期退職を強いられた銀行員が資産家の顧客の秘密に気づき、人生大逆転の賭けに出る「上級副支店長」。旅行の保険で小金を手に入れる術を考案した夫婦の末路を3通りのエンディングで描く「生涯の休日」。奇抜すぎる発想と意外すぎる展開で人生の不思議を縦横に描き出す傑作集。
ハリーはバッキンガム宮殿で爵位を授けられた。新首相マーガレット・サッチャーから閣僚に任命されたエマ。選挙では敗れたものの、遂に家庭の幸福を得たジャイルズ。彼らの人生は、それぞれに頂点を迎えようとしていた。一方で執拗に復讐を目論み、金に執着し続ける亡者たちの動きはやまないが、彼らにはそれぞれの陥穽が待ち受けていた。人間の美醜賢愚を描き抜いた空前の大河小説、最終巻。
ハリーは亡き母が望んでいた小説の執筆に着手する。それは畢生の傑作となるべき作品だった。エマも保守党内閣の中で頭角を現して、更なる要職に任命される。ハリーの出生の秘密が明らかになり、子や孫たちも幸福を掴みかけたとき、クリフトン家を悪夢のような病魔が襲う。悲嘆そして絶望と闘う一家に、やがて信じ難い結末が…稀代の物語作家が満を持して描き上げた衝撃と余韻消え去らぬ終幕。
客船“バッキンガム”爆破事件の後、ハリーはシベリア強制収容所に幽閉されている一人のロシア人を救出する決意を固める。その男ババコフはかつてスターリンの専属通訳を務め、内幕を暴露した本を著して逮捕されていた。セバスティアンの恋とビジネスに迫る危機、ジャイルズを襲う予期せぬ不祥寺、そしてエマを待ち受ける陰謀…一寸先に闇が訪れ、息つく暇も与えぬシリーズ第5部。
ソ連が闇に葬り去ったババコフの著書『アンクル・ジョー』のありかを知ったハリーは単身、モスクワに向う。だが、そこに待ち受けていたのは異常極まりない国家の罠だった。一方、エマはバリントン海運社内の危機を抱えながら、宿敵ヴァージニアに起された名誉毀損訴訟の法廷に立つことに。はたして全ての真実が語られる日は来るのか。希望と絶望が交互に押し寄せる驚愕の新展開!
セバスティアンが死亡したと聞いて病院に駆け付けたハリーとエマ。しかしその遺体は息子のものではなかった。バリントン家とクリフトン家の破滅を願うマルティネスの復讐心はさらに過激さをまし、彼の意を汲んだフィッシャーはバリントン海運の役員として暗躍。一大事業である豪華客船の建造が進むなか、突然の死が一族に衝撃をもたらす…大興奮の「クリフトン」シリーズ第4部。
バリントン海運の株式を巧妙に操作し、会社の凋落を企むマルティネス親子。銀行家ハードキャッスルの後ろ盾を得たハリーたちと、秒刻みの真っ向勝負が始まる。なかなか思い通りに行かず追い詰められたかに見えたマルティネスだったが、その悪辟さはハリーたちの想像を上回るものだったー。ついに完成した豪華客船の処女航海と一族の行く末は、裏切りの羅針盤によって導かれる!
バリントン家の正統な後継者はハリーかジャイルズか、国中を巻き込んだ大論争がようやく決着。それぞれが新しい生活を手にした矢先、突然の病魔が大切な命を奪い、また新たな難題が持ち上がる。喪失の哀しみのなかで、ハリーとエマが敵対した次なる相手はなんと、ジャイルズだったー。裏切られた友情と兄妹愛は取り返せるのか?予想外が連鎖する「クリフトン」シリーズ第3部。
ハリーとエマを恨む者たちはバリントン海運の凋落と総選挙に挑むジャイルズの敗北を企図する。一方、校則やぶりの常習犯であったセバスティアンは志望校への推薦を得るべく改心したかに見えたが、知らぬうちに国際的犯罪の渦中の人となってしまった。息子を救いたい一心で、政府の要請のもと、ハリーは遠くブエノスアイレスを目指すが…秘められた真実が、新たな悲劇を招く!
アメリカ上陸と同時にハリーを待ち受けていたのは、突然の逮捕劇と不条理な刑務所暮らしだった!一方イギリスでは、皆がハリーの死の報せに打ちひしがれるなか、エマだけが愛する彼の生存を信じ続ける。真相を探るため、単身米国に乗り込むエマ。重大な真実を秘めたある本に出会い…。二つの家族の運命が大西洋を越えて揺さぶられる、大波乱の「クリフトン」シリーズ第2部。
時代は第二次世界大戦に突入。金策に苦しむヒューゴーは過ちを重ね、ハリーの母メイジーとの取引を目論む。そのころ、エマが必死に行方を追うハリーは、予想だにせぬ場所で生死を賭けた試練を迎えていたー。「生きて再会したい」エマの願いは届くのか?やがて彼らは、英国中を巻き込む大論争の的となっていく。名誉や金への野心渦巻き、変化する人間模様。
1920年代、イギリスの港町ブリストルに住む貧しい少年ハリーは、サッカー選手か世界を旅する船乗りを夢見ていた。しかし、意外な才能に恵まれ、進学校へすすんだ彼は、富裕層の御曹司たちから再三いじめを受ける。やがて名家出身のジャイルズという親友を得るが…。『ケインとアベル』より30余年、貴族と庶民の生きざまを描く著者畢生の最高傑作。壮大なるサーガ、ついに開幕。
波乱の学校生活のなか、それでも学業に励むハリーは次々に厳しい真実と向き合うことになる。英雄として戦死したと教わった父の本当の姿。ウェイトレスとして働く母メイジーの暗い過去。師と崇める謎の男ジャック・ターが背負う傷。伯父スタンの許しがたい行い…。少年が大人への扉を開けてゆく中、ついに直面することになった驚愕の事実とは?全英1位ベストセラー、日本上陸。
1906年、ポーランドの片田舎で私生児として生れたヴワデクは、極貧の猟師に引きとられた。時を同じくしてボストンの名門ケイン家に生れたウィリアムは、祝福された人生を歩み始めた。ドイツの侵攻で祖国も肉親も失ったヴワデクは、数奇な放浪の旅の果て、無一文の移民としてアメリカに辿りつき、アベルと改名した。「三作目が勝負」と明言した著者が、満を持して発表する大作。
ずば抜けた商才と頑張りで社会の底辺からのし上がったアベルは、全米に拡がるホテル・チェーンを作りあげた。一方、出世コースを突き進むケインは、その確かな判断力を認められて大銀行頭取の地位をつかんだ。ホテル王と銀行家、ポーランド移民と名門出のエリートーいずれも典型的といえるふたりのアメリカ人の、皮肉な出会いと成功を通して、20世紀のアメリカ史が甦る大ロマン。