著者 : ジュディス・マイケル
事故以来、人間嫌いになったジェシカは孤独な殻の中に逃避、ロペス島に犬と暮らしている。ルークの脳裡には、いつもジェシカがいる。このジェシカへの想いは何なのか?もう一度ロペス島に飛んだルークは、逃げる彼女に真実をぶつけた。二人に一週間の時間が流れ、ジェシカに愛の歓びと生きる力が蘇った。だが彼女は、ルークに黙ってシドニーへと旅立つ。大人の愛の行方は…。
演出家のルークは、祖母コンスタンスの遺品にあった手紙に心を奪われていた。それは、舞台女優の祖母が愛弟子として慈しみ育てた、ジェシカの24年間にわたる親交の手紙だった。スターの道を歩む34歳のジェシカを襲った6年前の列車事故。彼女の人生は暗転した。ルークは、ジェシカが住むロペス島に飛んだが、かいま見た彼女の容貌にショックを受け、心痛の思いでその場を立ち去る…。
上流社会に育ったアッシュブルック家の令嬢ヴァレリーは、恋愛と結婚を切り離し、学生時代の恋人ニックと別れた。シビルは、子供の頃から羨望の眼差しでヴァレリーを見ていたが、ある事件で大学を除籍になり、彼女への復讐からニックと結婚する。しかし野心に燃える彼女は、ニックと息子を捨て、50も年上の実業家に近づき再婚。今、夫の死で、シビルは遺産を相続し笑いが止まらない…。
人を憎み利用するだけで愛を知らないシビルの目的は、ヴァレリーの全財産を奪い破滅させることだ。ヴァレリーは、銀行家の夫と別れ、最近、カールトンと再婚、自分の財産管理を夫に一任していた。その夫がヴァレリーの全財産を担保に借金をして急死。破産したヴァレリーは学生時代の恋人ニックと再会する。そして、資産家の未亡人になったシビルは、カールトンと密会していた…。
ローラとひとつ年下の弟のクレイは14歳の時に両親を交通事故で亡くした。異父兄のベンは幼い二人にも盗みを教えた。泥棒稼業もこれが最後と、ホテル一族のサリンジャー家に住み込むローラとクレイ。ホテル王サリンジャー・オウエルは孫娘以上にローラを愛し信頼し、彼女を後継者にと遺言して急死した。いま彼女の過去が暴かれた。愛しい婚約者ポールも失ったローラの運命は…。
サリンジャー家から追放され、裁判にも敗訴したローラは、オウエルの遺志を実現させようと立ち上がった。国際的金融王のウェスとの出会いがローラに、ホテル・ウーマンを確実に約束させていく。しかし、彼女はウェスの愛情に応じない。冷酷なまでのローラの権謀術数は成功し、オウエルの夢のホテルの所有を目前に窃盗事件が彼女を襲う。そしてポールとの再会に心が震えるローラ…。