著者 : ジョアンナ・リンジー
さえない令嬢が愛したのは、英国一の美女の婚約者ーー J・リンジーが19世紀の社交界に奏でる、叶わぬ恋のメロディー。 サブリナ・ランバートは、社交界の誰もが認める壁の花だ。とうに結婚をあき らめ、ひとりで生きていく覚悟を決めた彼女は、とある青年に出会う。燃える ような赤毛、息をのむほどハンサムな彼は、侯爵位を継ぐために英国へとやっ てきたハイランダー。ぱっとしない顔立ちではなく、心そのものを見てくれる 彼に、サブリナは強く惹かれていく。しかし彼は、数日後に英国一の美女と結 婚する運命にあった。完璧な二人の間に、平凡な自分が入っていけるはずもな いーーサブリナは切ない想いを胸に秘め、いい友人として彼に接するが……。
求婚を断った相手が、まさか沙漠の君主だったなんて。 大人気作家J・リンジーの伝説のデビュー作、満を持して登場! 18歳になった令嬢クリスティーナの初めてのロンドン滞在は、フィリップとい う男のせいで台なしになる。裕福そうな身なりに、社交界で異彩を放つ漆黒の 髪と浅黒い肌ーーセクシーな風貌に惹かれたのも束の間、彼はいきなりクリス ティーナに求婚し、唇を奪ったのだ。思わず彼の頬を打ち、クリスティーナは 逃げだした。数日後、彼女は就寝中に襲われる。目隠しをされ、肩に担がれ、 何日も経て辿り着いた場所は、見渡すかぎりの砂の国。暴漢が顔を覆っていた 布を取る。クリスティーナは息をのんだ。それは、あのフィリップだったのだ。
25歳になっても馬にしか興味がない令嬢アレクサンドラ。そんな娘に業を煮やした男爵はある日一計を案じた。亡き親友の息子とアレクサンドラが15年前から婚約していたことにして、花嫁を迎えに来るようにという偽りの手紙を先方に送ったのだ。対面の当日に突然婚約者がいると父に聞かされアレクサンドラは反発するが、現れた伯爵ワシーリーを前にしてさらに驚く。きらめく金髪、透けるような肌、蜂蜜色の瞳ーー金色に輝く、まさに絶世の美男子だ。だが一方の伯爵は貧相なアレクサンドラを見て、その麗しい目に嫌悪の色を浮かべた。